2010年12月29日水曜日

院内AED

Automated External Defibrillators and Survival After In-Hospital Cardiac Arrest

1ヶ月以上前の論文です。まあ、一言で言えば、院内でのAED使用の有効性は見いだせなかった、という趣旨です。心肺蘇生に携わる者にとっては、なかなかimpressiveです。
Kim先生が詳細に解説してくれています(ありがとうございます。勉強になります)。こちらをどうぞ→  

心肺蘇生教育に携わっている優秀な中堅看護師さんが、この論文を読んだらしく、院内教育でAED教えているのに、、困惑してしまいますとの御意見を最近頂きました。
院内でのAED使用は”有害である”などとネット上で過激な言葉で紹介されたりもしていましたが、それは言い過ぎでしょう。手動式除細動器よりは劣っている可能性が示唆された、くらいにしておいて欲しいものです。
この研究はRCTではありませんし、数々の限界はありますので、決定的なことは言えませんが、大きなRegistry(NRCPR)のデータだけに、やはり無視はできないことも事実です。

院内心停止は、院外心停止と異なり、PEA、Asystoleの割合が多いことが特徴的です。このNRCPRではPEA/Asys80%、VT/VF20%ほどです(院外心停止ですとVT/VFは45-71%ほど)。ちなみに、NRCPRよりnの桁が2つくらい少ないですが、日本の院内心停止のレジストリーでも、PEA/Asys70%、VT/VF30%とPEA/Asysが多いです。
病院の主要科や規模、急性期病院か否か等によっても大きく異なってくるでしょうが、全体としては、院内心停止は、院外心停止とは明らかに質が異なります。基礎疾患を有している人や全身状態が悪い人が多い(病院だからあたりまえ)ことが影響していると推測されます。PEA、Asystoleですと当然ショック適応なしですから、AEDを使用すると、パッドを貼って、解析する時間の分、胸骨圧迫時間・回数が少なくなるわけで、これがAED使用の蘇生率悪化に影響を与えている因子の1つとなっていると推測されるわけです。

この論文は、AEDの限界を示唆する一方で、胸骨圧迫の重要性の更なる裏付けとなりうるものではないかと思います。やっぱり、絶え間ない胸骨圧迫が極めて重要だ、と。胸骨圧迫の重要性を示唆する論文と考えれば、心肺蘇生教育の場でも、べつに困惑することもないでしょう。

解析中、充電中も胸骨圧迫継続が可能なAEDが開発されれば、このAEDの限界を打破できるかもしれません。
こんなこともありましたし、この記事の最後の論文の"Hands-On Defibrillation"のように、手袋して胸骨圧迫すればショック中も感電しないので、充電〜ショック中も胸骨圧迫継続可能になることも有り得る?(笑)

現状の院内においては、訓練された医療従事者(現状の日本なら訓練された医師のみでしょう)であれば、AEDではなく、手動式除細動器を使用すべきと考えざるを得ないでしょうから、心肺蘇生教育の場では、受講生のレベル次第で、その旨お伝えすることになろうかと思います。AED使用の際には迅速、かつHigh Quality CPRもお願いしますね!っと念を押すことも重要でしょう。


今後この論文が、ガイドラインやプロバイダーマニュアル等に反映されてくる可能性もありますよね。。。どうなのかな。

上の論文を読んだ看護師さんは、近い将来日本版ナースプラクティショナーの先駆けとなる辣腕看護師養成の大学院に通いスキルアップに励んでいる方です。だから、英語の論文も読むわけです(ぱちぱち)。ナースであっても、訓練されていれば手動式除細動を施行可能になりえるか。そんな可能性を支持しうる論文かもしれません。その看護師さんの研鑽のモチベーションにもなりえるかな。

大掃除

大掃除の季節です。”捨てる”系の本は多数ありますが、最近、こんな本を読んでみました。

「モノのために家賃を払うな!~買えば買うほど、負債になる」 あらかわ菜美





まあ、どの本も似たり寄ったりですが、ちょっとこの本、面白かったです。モノに対する考え方が変わりました。題名に内容がよく凝縮されています。

モノで埋めつくされた空間は、たんなる「物置き」でしかない
「物置き」のためではなく、「ゆとりある空間」に大切なお金を払っていく
いらないモノでお金を失う。
モノに家賃を払わない。
使わないモノに、道具としての価値はありません。つまり、使用頻度が高ければ高いほど、モノとしての高い価値かあるのです。
収納するモノというのは、あまり使わないモノなのではないでしょうか。使わないモノは、いらないモノ、ムダなモノです
使わないモノにスペースを奪われていることのほうがよほど、「もったいない」とは思いませんか。買ったこと、もらったことが、そもそも間違いだったのです
残しておくべき服は、「それを着て外に出かけられる服」だけにしましょう



自分も単純ですから、すぐに影響されて、結構、モノを捨てています。お陰で、病院のデスクは奇麗になりました(笑)。
無駄な買い物も減ると思います。

2010年12月28日火曜日

つぶやき。

今日。

若年男性。ERでCPAになり、CPR。カテ室でPCPS。みんな協力してCPR!
経験豊富な優秀な救命センターの後期研修医や、初期研修医。一生懸命CPRしてくれました。
カテ台の上でのcompressionは大変やりづらいのは百も承知ですが、それでも、High Qualityとは言い難い。残念。

みんな出来るつもりでいるBLS。意外と難しいBLS。わかっちゃいるけど、意外とできないBLS。

院内オリジナルのBLS講習会や、院内ICLSなど、それなりに教育機会がある当院でも、こんな程度。

そんな講習会で指導している者のスキルも、現場では必ずしもQualityは高くない。

Qualityが高くないことを、恐らく誰も認識していない。

心肺蘇生教育において、日本独自のシステムと、AHAのシステム、大きな差を実感します。

まだまだ伝えなければいけないこと、、、、あるなあ。。。。。とひしひし感じた夜でした。仕事納めだったけど。

よっぱらい更新ですから、気にしないでください。おやすみなさい。

2010年12月26日日曜日

G2010 Adult Cardiac Arrestの疑問点

G2010 Instructor Updateの際、出た意見。Adult Cardiac ArrestのAlgorithmについて。





Box.10の次のrhythm checkでorganized rhythmが出た場合、どこに進めば良いのでしょう。このflow chartを純粋に辿れば、pulse checkせず?、Box.11に進んで2分間CPRを追加することになってしまいます。ほんとかいな??? もっともな意見です。

普通に考えれば、Box.10終了後organized rhythmが出たら、pulse checkをして、脈拍触知するようなら、Box.12に進むわけで、その矢印も本来必要ですね。もうguideline、Handbookは出版されていますから、直しようがないですね(笑)。

G2010 instructor updatesメモ

昨日はG2010 instructor updatesに参加しました。Facultyの先生方はお忙しい中準備も大変だったようです。感謝致します。
内容は、GuidelineやAHA Instructor Networkから得られる情報以上の目新しいものはあまりありませんでしたが、良き再確認にはなりました。

謎も多いです。皆さん御指摘のように、BLSの呼吸の確認は手短に、、、という割にはcheck listではしっかり5秒以上10秒以内、、なる項目があります。手短かにscanするんじゃないようです。
ただし、HeartsaverのAdult/Child CPR and Infant CPRのcheck listの呼吸確認の部分には"5秒以上10秒以内"の記載はありません。記載漏れなだけ?
呼吸確認のscanの際には、服は脱がせる?いつ脱がせるんでしょう。HCPのCAB sequenceのビデオでは服がはだけている状態でscanしています。Heartsaverのビデオでは服来たままscanしています。Heartsaverのchecklistには、呼吸の確認の後、"Bares victim’s chest and locates correct hand (infant: finger) position"のcheck項目がありますから、この時点ではだければよいのでしょう。
反応ないだけではだけさせたら、一歩間違えれば誤解が生じかねません(笑)。
BLS for Healthcare Providers Student Manual Comparison Sheetには「Compressions should be initiated within 10 seconds of recognition of the arrest.」とあり、隣接する文面から解釈すると、" arrest "とは、脈拍触知しない、ということではなく、反応なく正常な呼吸がないと判断した時点を意味しているのでしょうか。その時点から、救急システム立ち上げ・AED要請→脈拍確認→胸骨圧迫開始までが10秒以内にすべし、、ということですね。忙しいですね。脈拍確認は5秒でお願いします(笑)。”10秒"にはあまり意味はなく、迅速にやりましょう、という解釈が妥当そうです。
HeartsaverとBLS for HCPの手順の相違も整理されました。ふんふん。異なる手順のHeartsaverのskill check listが存在することも指摘されていました。こちらのページでも大変分かり易く解説されていました。
CoSTRには、難治性VT/VFにNifekalantが有用である可能性が記載されていますが、USAでは認可されていない薬剤であり、当然AHA guidelineにも記載はありません。AHAのものではあっても、その日本語訳のmaterialには、Nifekalantの注釈をつけてもらうのが我々の現場にはよりpracticalと思われ、その旨AHAに意見しているそうです。
Continuous waveform capnographyは、挿管の確認における使用についてはClass I,LOE Aなんですね。これは是非導入せねばいけません。ちなみに、CPRの質の評価についてはClass IIa〜bといったところです。

蘇生後の低体温療法はVFでは、一応Class Iですが、「nも少なくて、たいしたエビデンスはないんです」だそうで。そうなんだ。今後我々日本がエビデンスを作っていかねばならない分野ですと大先生は御意見されておりました。その通りですね。言葉だけでなく、大先生のJ-Hypoも頑張っています。

G2010のmaterialが出そろうまでのinterim trainingの運営もまだ不明確な部分があります。ABCとCABが入り乱れて混乱しそうな気もしますが、ネットを拝見していると、既にG2010interim trainingを開催しているTCも有るようです。早い!


G2010とは全然関係ないですが、CPR50周年といった話題から、CPRの歴史が紹介され、その中で"closed-chest cardiac massage"なる1960年のJAMAの文献が提示されてました。なるほど、こんな言葉があるんですね。あわててメモしてしまいました(笑)。

2010年12月19日日曜日

繰り返し。。。

50代男性。
元来健康。胸痛既往なし。
朝9時頃突然胸痛が出現、冷汗あり。その後やや軽減し、鈍痛となるも症状消失せず。10:30救急外来受診。
受診時BP143/93,P86,SpO299%、バイタルサインは保たれており、身体所見では著明な異常所見なし。
対応した研修医はすぐに心電図記録。



研修医は、明らかな異常はないと判断。かつ、トロポニン定性検査陰性。その他採血異常なく、胸部レントゲンも異常なし、、、、、。胸痛の原因はよくわからず。救急外来のベッドで横になってもらいつつ経過観察。
それでも改善しないため、12時頃になり、循環器の当直に連絡がありました。「一応診てもらえますか?」

すぐに救急外来に行き、診察。まだ胸部の鈍痛が持続しているとのこと。ECGは来院時の一度しか記録していなかったのですぐに再検してみました。しかし経時変化なし。来院時同様正常範囲内の所見。しかし胸部正中の圧迫感、鈍痛、即ち虚血性胸痛に矛盾しない症状が持続しており急性冠症候群は否定できません。すぐに心臓超音波検査を施行したところ、下壁領域で壁運動が低下しているように見える部位があります。広範ではありませんが、急性心筋梗塞の可能性十分ありと判断し、すぐに冠動脈造影を施行しました。
右冠動脈#4の末梢病変でしたが、完全閉塞していました。primary PCIし、CCU帰室しました。

結局1.5時間循環器コールが遅れ、その分心筋ダメージが増えたと推測されますが、幸い、合併症なく順調に経過しています。
研修医には、心電図が正常で、心筋マーカー陰性の急性心筋梗塞もいるから、胸痛患者を目の当りにしたら諸検査が正常でもすぐに循環器医を呼びなさい、と再三指導しているのですが、何度言っても、この繰り返しです。循環器医は怖いから呼びづらい、、、との意見は以前から耳しています。この辺は当方も改善せねばいけません(苦笑)。
それ以外にも、以前ちょっと御紹介した本の一説




人々が知ったことを行動に移さない(移せない)三つの理由

『情報過多』多量の知識を1,2度学ぶより、少量の知識を何度も学んだほうがいい
『ネガティブなフィルター装置』
『フォローアップの欠如』一にも、二にも、三にも、繰り返すこと




この辺にkeyがあるのかなとも思っています。

ガイドライン的にも、胸痛患者で12誘導心電図で明らかな異常がなくとも、ACSの可能性が否定できなければ、5-10分毎に心電図を記録し経時変化をとらえること、とされています。今回は、結果的には経時変化はなかったものの、そんな対策も講じていません。そもそも、初めの12誘導心電図は救急専門医、循環器医と判断すべきと推奨されています。
毎年同じ事言っています(苦笑)。

高度房室ブロック??

急性大動脈解離で入院した患者に、Beta遮断薬を投与、増量していたところ,心電図モニターでこんな所見が記録されました。
後期研修医が、「QRSが脱落し、高度房室ブロックを疑う所見ですから、Beta遮断薬は減量することにしました」と報告してくれました。
急性大動脈解離にはBeta遮断薬は良い適応ですが、陰性変時作用がありますから、ブロックなどの徐脈性不整脈の副作用を認めることは時々あります。




なるほど、確かに、QRSが抜けています。



さて、ホントに抜けている?? 病的??

2段目の赤い線が書いてあるところ、看護婦さんが書いてくれたようですが、ここがそのQRSが抜けているとされる部位です。
その中央付近が、やけにflatに見えます。僅かな基線の揺れもなく、やや不自然にみえる気もします。高度房室ブロックなら、P波は等間隔で出現するはずです。赤線左端やや左のQRSはしっかりP波を伴っています。次のP波は確認できますが、その次のP波は、確認できません。不自然なflatな線のみで、P波らしき上向きの波形は確認できません。これが全くもって納得できません。
不自然なflatな波形直後の上向きのふくらみ波形(赤線左側3/4付近)があります。これは、、、、T波を等間隔に辿ると、このふくらみに一致します。これは、T波の可能性が高いです。
P波とT波の位置を書いてみるとこんな感じ。




結論的には、理由は分かりませんが、中段、左から2拍目のP波の直後からごく短時間の間、何らかの原因(機器の問題)で心電図が出力されずに、不自然なflat波形となってしまい、2拍目のQRSと(T)波は確認できません。3拍目の(P)波もQRSも確認できませんが、T波は確認できます。このT波が出たところで波形出力が再開したと思われます。
患者さんの波形に異常があったわけではなく、心電図機器のトラブルの問題の可能性が高そうです。
ということで、房室ブロックが出現した可能性は極めて低く、Beta遮断薬の減量も不要と思われます。

原因はなんだろう。。。。困りますよね。

2010年12月17日金曜日

MBA入院

Macbook proがクラッシュし、死亡、新規購入。

iPhoneの画面が損傷増悪し、修理(無料(にこにこ))。

そんなトラブルに引き続きまたもやトラブル発生!!!!

日々酷使しているMBAの関節が骨折脱臼です(がーん)。

病弱な子供を持つ親の気分です(笑)。3兄弟みな病弱。




昨日、本日と2日連続でapple storeに足を運び、MBA入院です。
ヒンジをディスプレイごとまるまる交換してくれるそうです。しかも、無料(にこにこ!)。

無料なのはよいですが、MBAがないと、日々の業務に支障を来たし、大変不便です。
短期入院を祈るばかり。

2010年12月15日水曜日

Boston Scientific Guidewire Kinetix 使用禁 詳細


ようやく、時間がとれたので少し詳しく書きます。

RCA#1distal-#2distalのCTOへのPCI。LAD-Septal経由のRetrograde approachで、CorsairをCTO遠位端まで持ち込み、Reverse CARTでRetroのMiracle3gをRCA近位の真腔に進ませようとしましたが、少し引っかかるので、よりソフトなGWのほうがよいかなと思い、サンプル使用で出していたBonston Kinetixに変更、RetroのCorsairに挿入し操作していたら突然stuck! 全く動かなくなりました。何が起こったか分かりませんでした。押すこともできない、引くことも出来ない。しばし操作するも、Kinetixの先端がCorsairから出るか出ないかくらいの位置から、微動だにしませんでした。仕方ないので、かなり強い力で引っ張ったところ、"ブチッ”という音とともにKinetixが抜けてきました。切れたかと思いましたが、幸い? 切れていませんでした。原因はよくわからないと思いつつも、今度はRunthrough NSを挿入しようとしましたが、途中でつっかえて進まなくなり、Runthrough NSをCorsair先端から頭を出すことができませんでした。Corsairが詰まっているようでした。試しに、Conquest proも挿入してみましたが、これも途中で当たり、Corsair先端から頭を出すことができませんでした。えいえい、と強めに突いてもだめでした。Corsair内に何かが詰まっているか、閉塞しているか、でした。Retrograde のCorsairは機能不全に陥り、結局泣く泣く抜きました。抜いたあとも、Corsair内を水をフラッシュすることはできませんでした。

その後、antegrade approachに際しても、別のCorsairにKinetixを入れて操作する機会がありましたが、またまたStuck。これも同様に、その後Corsairは糞詰まりになり使用不可となりました。

このPCIでは、他にRunthrough NS Floppy、FielderFC、Conquest pro、Miracle3g、、など多くのGWを使用していましたが、Kinetix以外のGWでは全くstuckするような現象は生じませんでした。

ちなみに、ACTは30分毎に測定し、300秒以上を維持していました。

Kinetixだけが、2度も同じ事態が生じるとは、やっぱり、Kinetixのせいと思ってしまいます。原因を解明してもらいたいものです。それまでは絶対にKinetix+Corsairは使用しないほうが安全です。

Bostonの担当者に聴けば、湘南鎌倉病院でも同様のstuckが生じて、同院ではKinetix不採用となったとのこと。その一件の後、Kinetixの膨張実験なども施行したそうですが、明らかな異常は呈さず、原因は不明のままと。
Kinetixが原因と言い切れずとも、そのようなことが有ったのなら、予め教えておいてほしいものです。
危険となりえる事象が生じていたにもかかわらず。それを伝えずに使用を促している態度が、問題です。
自分の情報収集不足とはいえ、しばらくBostonのものは使いたくありません。。。

2010年12月10日金曜日

絶対に!

一部では有名な話らしいのですが、知りませんでした。今日かなり痛い目を見ました。
BostonのKineticsなるguidewireは、絶対にCorsairと使ってはいけません。相性超悪です。

2010年12月5日日曜日

アメリカン体験

今回受講させて頂いたBLS for HCPは、受講生5人の小規模コースでした。CDとインストラクターは計2人で、あとはモニター4-5人だったと思います。その他スタッフも数人いらっしゃり、総勢10人程での運営でした。CD、インストはベテラン医師でしたが、その他の方々は医学生、柔道整復師の専門学校生、即ち学生が大勢を占めている、大変若い方々でした。年齢も若いし、インスト経験も超若い。でも、皆さん礼儀正しく、真面目そうで、好感が持てる方々でした。元気で、気さくな雰囲気で、これがアメリカンなのでしょうか(笑)。良き集団だと思いました。若いって、いいです!
受講生は自分以外に、若手小児科医師、年配の小児科医師、医学生、専門学校生でした。
受講生1人にマネキン1体、インスト1人という超贅沢な環境でした。マンツーマンとは素晴らしい。毎回こんな環境なわけはないと思いますが。運営収支が心配になります(笑)。モニターだから、インストフィーは節約できているのかな。
自分を担当してくださった方も医学生で、モニター中のようでした。意識してしまうでしょうから、自分がBLSインストラクターであることはお伝えしませんでした。隠すつもりはなかったのですが。幸い自分のスキルは初めからほぼ完璧でしたので、多分インストは楽だったことでしょう。逆に楽すぎて、かえって困ったかもしれません(笑)。
途中、成人1人CPRの実習時間では、時間あったので、G2010バージョンCPRをやろうと提案し、試行してみました(笑)。逸脱した受講生に、困ったかも(笑)?。

インストに関して、コースに関して、細々感じた事は沢山ありますが、いちいち書いていたらきりがなくなるので、辞めます(笑)。大雑把なことだけで。

学生インスト候補を多く抱えているグループだけに、将来大変楽しみです。若者が多いことは良いことです。活気があります。ただ、本当のBLSなどした事もがない方々ですし、医学的な知識、経験も乏しいですから、BLS for HCPのインストラクションをすることは御本人にとっても大変ですが、教育する先生方も大変です。コースの質を落とさず、一人前のインストラクターに育成するのは大変なことと思います。自分は、かつては学生など経験不足のAHAインストラクターには否定的見解を持っていましたが、本日参加されていた方々の真面目な姿勢を見ていると、応援したくなります。是非頑張って頂きたいと思います。
PAMによれば16歳以上ならBLSインストになれるわけで、若者インスト育成もアメリカン、ということなのでしょう。

コース自体はDVD1:1でサクサク進んで、良かったですが、レッスンマップ通りには進んでいませんでした。これもテキトーなアメリカ的なのかな(笑)? 所々、今後の参考になるようなDVD進行あり、勉強にはなりました。
プロジェクター、画質がいまいち、音響はいまにいまさん、だったかな(笑)。このへんも、細かいところにこだわらないアメリカンってことで(笑)。プロバイダーカードはコース修了後、手元に届くまで3ヶ月かかると言われました。へえ、長っ!。この辺も、のんきなアメリカン。インスト更新のために早々にプロバダーカードが必要でしたので、頼んで、修了証を発行してもらいました。せっかちな日本人ですいません、お手数おかけしました。

気になった点は、プロバイダーマニュアルはじめとするAHAのマテリアルから逸脱したことを指導する点がたびたびありました。モニターではないインストラクターの先生でした。
最大の問題点は、最後の実技試験がありませんでした。なぜ??? 一連のコースが終わった後、筆記試験をしました。これから成人小児1人法CPRの実技試験かな、、と思ったら、「皆さん合格です、おめでとうございます」とのことで終わってしまいました(笑)。あれれ。HCP10でチェックしたよってこと?

そういえば、筆記試験後のフィードバックは何も無くて、点数も不明でした。どうせ満点だろうから、良いのですが。。。。解説の提示もありませんでした。

コース中、関連する所で、G2010の話をその都度話したり、コース後、G2010デモビデオを流したり、今後の展開をお話頂き、その扱いに参考になりました。今回のG2005コースを受講した方は、無料でG2010のアップデートを受講できるって言っていました。親切です。

今回はヤングインスト中心の御参加だったようですが、他にバリバリアメリカンな辣腕インストラクターの方もいらっしゃるのでしょうから、是非機会があればその手腕も見たいと思いました。

思い出すままに、つらつら書きまして、まとまりなくてすいません。

ただ、今回受講してみて、一つの結論。

JCS-ITCの我々周囲で展開しているBLSコースの質、そのインストラクターの質はかなり高いです。再確認できました。
今週末はBLS、BLS-Rです。ACLS-Rもあります。頑張ります。

初心に帰る

最近は現場では心肺停止に遭遇しても若き研修医達がガツガツやってくれますので、自分自身で身体を使ってCPRをすることは殆どありません。コースでも、インストラクションするだけで、自らがCPRをする機会はありません。そもそも、最近はインストラクションする機会さえ少ないです(苦笑)。偉そうにインストラクションしていますが、本当に自分にそれだけのスキルが有るのか。30:2を5サイクルしっかり行える体力があるのか(笑)?確認したくなりました。

そこで、本日AHA BLS for HCPを受講してきました(笑)。BLSコースの"受講"は5年振りくらいです。
"本場アメリカ仕込み"を売りにしているAHA-USインストラクターの集合体である、AMR-JAPAN主催のコースを受講しました。
最大の受講目的は、上記のように①自分のスキルを確認すること、です。
以外にも、②忘れかけていた受講生の立場を今一度体験してみる、③他ITCや他サイトのコースを見てよきところを学びたい、④特に、本場アメリカ仕込みのインストラクション、コース運営を体験して学んでみたい、⑤BLSインストラクター更新時期が迫っているのでプロバイダーライセンスをgetしておくと都合が良い、⑥運動不足解消(笑)、⑦今日なら何とか予定を空けることができた、などです。また、AMR-JAPANは、AHAガイドライン変更への素早い対応、、も売りにしているようですので、もしかしたらもしかしたらG2010の指導も有り得る??という淡い期待もありました。そうでなくとも、G2005→2010の移行で、コース展開が微妙に難しい時期ですから、その点をどのように表現しているかにも興味がありました。

結論的には、G2005コースでした。まあ、当たり前ですよね。
G2010コースの準備も出来ているが、試験問題等が届いていないとのことで、最後のG2005コースです、すいません、とのお言葉でした。

それはさておき、まあ楽しく半日過ごせました。自分のスキルが最高レベルであることが確認できました(笑)。自分でも最高と思える手技ができましたし、御担当頂いたインストラクターの方にも、教える事は何も無い、と言われました。feedbackのお言葉は、"完璧です”だけ(笑)。持病の腰痛が悪化する事もありませんでした(笑)。持病の40肩が悪化することもありませんでした(笑)。

日々の地道な腕立て伏せも、きっと役立ったのでしょう、胸骨圧迫も5サイクルくらいは楽勝です。やっぱり良きBLSには腕立ては必須です(笑)。胸骨圧迫5cm以上って実際よくわかりませんでしたが、G2010を意識し、出来るだけ深く押して、胸骨上のみに力を集中させ、そして1分間に100回以上で頑張りました。30回を15-16秒くらいでこなすことが多かったです。G2010にもすんなり移行できそうです。PWWではDVDより速くやったので、タイミングがずれていまいちでした(笑)。
乳児のCPRの時は、反応がないことを確認した後、救急コールと除細動器! と言ってみました。院外ならAEDかな。担当してくれていたインストラクターはこの辺理解してくれたかな?

5年前に購入して現場では一度も使っていないフェイスマスク(ポケットマスク)を持参したため、そのクッションが古びて、よれよれ、ぺこぺこになっていて、マスクフィットがしづらく、時々空気が漏れて胸郭挙上が甘くなることがあったのが、唯一のマイナスポイントでした(笑)。
コースの印象等については、別にまた書こうと思います。

お世話下さった方々、有り難うございました。

Kamakura Live Demonstration 2010



今年もまた、Kamakura Live Demonstration に参加です。
Slender PCIには限界を感じ、最近、少々飽きてきた(笑)のですが、やはり大御所齋藤滋先生の技術は目に見張るものがありますから、ついつい見に行ってしまいます。今日も色々勉強させてもらいました。

Slender clubを厚くバックアップしている齋藤先生ですが、10wireをバッサリ切っていましたね。ワイヤーの進歩がないと、slender PCIの将来は暗いかもしれません。IVUSしない斎藤先生は、slender guidecathe.+14wireで、さくさくやっていますが、自分的にはIVUS必須ですからやはり日常のslender system使いにはまだまだ壁が有ります。4F OCTには少々驚きましたが、まだ問題も多々ありそうです。

本日のライブ中、LADへのPCIでステント留置し、最終造影をした直後、理由は分かりませんが、突如VFになりました。外回りの面々が瞬時に大挙患者に押し寄せ、胸骨圧迫、電気的除細動、、、すごい速さでした。適切な処置で事なきを得ました。大変教育が行き届いていると思われます。
そんな中、VFになっても、眉一つ動かさず、平然としている齋藤先生。ガイドワイヤーはしっかり保持しつつ、ガイドカテをLMTから外していました。ガイドカテはslenderですから、LMへのウェッジや、損傷が原因のVFではありませんでしたが、これは冷静な対処です。脳虚血で痙攣を生じたり、CPRによる体動でガイドカテが動いて、LMTを損傷したりすることも有り得るでしょうから、そんなリスクを避けるべく些細ながらも素晴らしい対処です。ライブは、トラブルが起こった時こそ、学ぶことが多々あります。