2010年2月19日金曜日

失神その②

虚血性心疾患を有し、PCI歴もある高齢者。朝新聞を読んでいる時に突然失神。前兆は無かった。2−3分で自然改善したが、救急車で某病院に搬送。詳細不明だが、点滴などして帰宅となったとのこと。
翌日当院受診。症状再発はなく落ち着いており、心電図も問題なく、





外来管理可能と判断し、検査をいくつか予約して帰宅。
その検査のひとつが、薬物負荷心筋シンチグラフィー。
ジピリダモールを使用し薬物負荷を行ったところ、間もなくpulseless VTとなり(!!)、検査室でCPRを行うはめになりました。AEDを要請し、胸骨圧迫をしている間に自然に洞調律に回復し、自己心拍再開しました。
その後準緊急CAGを行ったところ、冠動脈に高度狭窄あり、PCI施行しました。

今回の失神の原因が、心筋虚血→VTであったという証拠は有りませんが、その可能性は十分考えられます。

虚血性心疾患患者の失神、しかも、前兆ない失神。心原性を疑う要素あり、リスクは高いものと考えるべきであり、某病院での救急対応でとった”帰宅”の方針は、レトロスペクティブに見ると、リスクある対応だったかもしれません。幸い、結果的には問題は生じませんでしたが、一歩間違えると、院外突然死。。。。怖いです。

2 件のコメント:

  1. RI管理区域内に救急カートと除細動器が常備されている施設は少ないと思われます.大変だったことが想像されます.ネオフィリン使う暇もなかったですね.

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  2. Ku@Mさん、コメント有り難うございます。
    当院のRI管理区域内には一応救急カートがり、またAEDも設置されています、一応。でも陸の孤島になっており、結構危ないエリアです。。。。
    ネオフィリンを使用したあとにVTになったそうです。

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