2009年7月14日火曜日

右冠動脈の急性心筋梗塞のPEA

中年男性、自宅で卒倒。卒倒したところは目撃されていなかったのですが、一応バイスタンダーCPRあり。救急隊現着時は心肺停止、PEAであり、ショックの適応はありませんでした。その後経過中にVFになり2度AEDを作動させ、当院救命センター搬入時は自己心拍再開していました。意識は回復していませんが、血液ガスデータはあまり乱れていなく、心肺停止時間は短かったと推測され、回復が期待できます。
搬入時の12誘導心電図は2,3,aVFでST上昇。緊急冠動脈造影では右冠動脈中部の完全閉塞、ほぼ1枝病変でした。PCIを行い、低体温療法です。
右冠動脈の急性心筋梗塞による心肺停止例でした。
単なる1枝病変の急性心筋梗塞でもやっぱりPEAになるんですね。6月27日のブログのように、右冠動脈だし、強い反射(Bezold Jarish reflex)によるものだったのでしょうか。心肺停止の機序は大変興味があるところです。
患者さん、回復することを期待しています。

2 件のコメント:

  1. 貴重な症例ありがとうございます。

    実際にこう言った患者さんを診療する事はあまりないので、ACLSコースで本当にこんな症例があるのか??と言われたらどうしよう、、、、といつも思っているのですが、つっこまれたら、このブログを読んで勉強しましょう!と言うようにします。

    ブログの紹介をする事は、AHAのPAMに違反していませんよね(^.^)。

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  2. ACLSのインストラクションにおいては、自分で経験した症例のシナリオを使うとリアリティーがありますよね。シンプルかつリアリティーが大事と思っています。
    こんなブログでよろしければ是非ご紹介ください(笑)。

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