2009年7月27日月曜日

除細動後の心機能低下

心肺停止患者をCPR(含除細動)し、無事蘇生できた場合も心機能(左室機能)が低下していることがあります。これは不整脈そのものの影響や心肺停止時の冠血流低下による虚血の影響などいくつか原因が考えられますが、一部は電気的除細動の影響もあり得ると言われているようです。
ある動物実験では、蘇生後の心機能低下の重症度が、除細動のエネルギー量と一部相関していたとのことです(Circulation 1997; 96:683)。
また別の動物実験では、より低いエネルギーでの二相性除細動はより高いエネルギーでの単相性除細動と同等の除細動効率であったが、除細動後の心機能低下の程度は二相性除細動を使用したほうが良かったとのことです(J Am Coll Cardiol 2001; 37:1753. )。
除細動で心筋マーカーが上昇することは稀ですし、左室機能低下が生じたとしてもごくわずかでしょうし、かつ一過性でしょうから、臨床的には無視できる程度のものと勝手に思い込んでいますが、やっぱり必要最小限のエネルギー量が良さそうです。

2 件のコメント:

  1. 2010年には3相性とか、4相性とかいうのも出てくるらしいですね!!

    CTみたいに128相とかになったりして、、、、

    毎回勉強になる記事ありがとうございます。楽しみにしています!!

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  2. へー、3相性、4相性とは、知りませんでした!

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