2009年2月21日土曜日

救命の連鎖

昨年のちょっといい話です。

心筋梗塞、冠動脈バイパス手術の既往がある60代男性 。とある施設のテニス場でテニスの試合終了直後、突然卒倒しました 。テニス仲間たちが救急隊要請(11:22)、更にテニス場の事務 所に連絡したところ、事務所の職員(20代男性)が設置されていた AEDを持って駆けつけました。意識がなく、呼吸がないためすぐに AEDを装着しました。解析をしたところショックが必要であったた め、ショックボタンを押しました。そしてすぐに胸骨圧迫を始めたそ うです。30:2で、換気もmouth to mouthで行いました。2分のCPRののち、再解析で 、再度ショックが必要であったため、ショックボタンを押し 、そして胸骨圧迫を再開しました。その後救急隊が到着(11 :33)したため引き継ぎました。救急隊到着時は心肺停止、モニター上PEA、救急隊によりCPRは継続され、11:57救命センターに搬入されました 。当院搬入時は自己心拍再開しており、血圧100台/ 、HR100台、意識レベル100/JCSでした。救急隊は到着まで CPAと考えていたようで、恐らく当院到着寸前まではPEAであっ た可能性が高いと思われます。その後、PCI、低体温療法等を経て 、結局この患者さんは全く後遺症なく回復しました。 
テニス仲間の早期通報、20代事務所職員のバイスタンダーCPR 、適切なAED使用、PEAから自己心拍再開させた救急隊の24分 にわたるCPR、そして搬入後の高度医療。救命の連鎖が見事につな がりました。みんなすばらしい!街がCCUになりました 。うれしいですね。 

ちなみに、バイスタンダーCPRをしたテニス場の事務所の職員20代男性は、2年前に救急隊によるBLS講習を受講したそうです 。たまたま、上記出来事の2-3週間前に駅で倒れている人に遭遇し 、救急通報をしたということを経験し、その時に、忘れかけていたB LSについて復習したばかりだったそうです。復習、大事ですね。

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