2009年12月30日水曜日

省エネダクト



なんでしょ、これ。
北国では定番だそうで。東京では見かけたことはありません。

その名も”省エネダクト”(笑)。
一端を温風ヒーターの前に置き、もう一方をこたつの中に入れます。こたつの電源を入れなくてもこたつの中はめちゃめちゃ暖かくなります。部屋も暖かいし、こたつも暖かい。シンプルだけれど、優れものです!地球に優しいエコ製品です。

血栓性血小板減少性紫斑病-溶血性尿毒症症候群

心不全で入院させた患者さんが血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群(TTP-HUS)でした。左室機能は低下しており心不全は心不全ですが、それにしては他のデータが乱れ過ぎだな、と思っていましたが自分としてはそんな鑑別診断は全く頭にありませんでした。視野が広く頭の柔らかい後期研修医がいち早く鑑別診断に挙げてくれました。有り難いです。疑ったら血漿交換を開始せよとされています。血漿交換をしていなかった時代の死亡率は90%だったそうで。血漿交換をすれば死亡率12-14%ほどに下がります。
瀰漫性の血小板血栓や心臓組織(冠動脈、心筋、刺激伝導系)の出血で心筋梗塞、心不全などを併発することがあり、不整脈、突然死の原因となります。心病変の併発の頻度は明らかにはなっていませんが、TTP-HUSの重要な予後規定因子の一つだそうで。勉強になります。

2009年12月27日日曜日

リフレッシュ

昔はよく秩父宮ラグビー場にラグビー観戦に出かけましたが、最近はめったに行くことはなくなりました。
当直明けで寝不足でしたが、たまにはリフレッシュを、ということで久しぶりに大学ラグビーを見に、ぶらりと秩父宮ラグビー場にお出かけ。大学選手権2回戦2試合ですが、結構好カードということで珍しく超満員です。




慶応対法政。慶応が勝ちましたが、慶応の前に出るタックルが陰をひそめているのが気になりました。待って、タックルしています。かつてのような地獄の山中湖合宿で鍛えないと魂のタックルは身に付かないのかな。これでは社会人相手になるとボロ負けでしょう。
早稲田対帝京。予想に反して早稲田が負けました。残念。帝京の外人パワーに屈しました。帝京は昔の大東文化みたいだった。


まあ、ラグビー以前に、日光を浴びながら、緑の芝と青い空を目の当りにするだけで大変気持ちが良かったです。

immediateとは

AHA ACLSメガコードケースB:頻拍(VT)ーカルジオバージョン(頻拍→VF/無脈性VT→PEA)の話。
不安定なVT患者に対し、酸素投与、静脈路確保、心電図モニターを正確に装着。不安定な症状や兆候は頻拍によるものと認識し、不安定な頻拍であるとチームメンバーに伝える。そしてただちに同期下カルジオバージョンを実施する。

チェックリスト通りですと、こういった流れに成ります。
さて、上記、不安定な頻拍であるとチームメンバーに伝えたのち、まずアミオダロンを投与し、早々に無効と判断し同期下カルジオバージョンを実施した受講生(循環器医)がいました。インストラクターとしてはどのように判断すべきなのでしょうか。

不安定頻拍に抗不整脈薬を投与することは、ACLSでは推奨されておらず是正すべき点であることは異論がないことでしょうが、実技試験という観点においてこの点自体はremediationにする理由になるのでしょうか。インストラクターマニュアルのスキルテストの章には"受講者はACLSコースにない手順や手技の実行を避けるべきである”と記載がありますので、この点を勘案しremediationにすべき、なのでしょうか。

実技試験の明確な基準としてチェックリストの存在があります。チェックリスト的にこの受講生がremediationになる理由は、アミオダロンを投与したこと自体ではなく、"ただちにカルジオバージョンを実施する”の項目にチェックが入らない、ということになります。"ただちに(immediate)"に反するわけです。それでは、"ただちに(immediate)"とはどの程度まで許容されるのでしょうか。

モニター心電図を装着し、不安定頻拍と判断し、

①即座に同期下カルジオバージョンを実施
②1分悩んで同期下カルジオバージョンを実施
③3分悩んで同期下カルジオバージョンを実施
④5分悩んで同期下カルジオバージョンを実施
⑤身体所見をとってから同期下カルジオバージョンを実施
⑥12誘導心電図を記録してから同期下カルジオバージョンを実施
⑦アミオダロンを投与してから同期下カルジオバージョンを実施

ある辞書には、「immediate:即時の、すぐの、じかに接している、すぐ隣の」などと記載されています。モニター心電図を装着し、不安定頻拍と判断したら、他の行為は挟まず、同期下カルジオバージョンを実施するということと解釈できるでしょうか。
①は勿論良いとして、②ー④あたりの時間の境はよくわかりません。他の行為をはさんでいないので、一応immediate?
⑦はダメだとしても、それでは⑤や⑥は? もし⑤⑥が許容されるなら、では⑦は絶対ダメ?

なんか、書いていて、ばかばかしくなってきました(笑)。
実技試験といっても、結局は受講生が十分理解し、今後の臨床に活かせるように促せればよいわけですから、あやふやなところがあればremediationとして、再度確認し十分理解頂いた上で、再試験で仕上げればそれでハッピーです。
しかし、期限切れ受講生のACLS-Rの実技試験は再試験のチャンスはないので、かなり判断に悩むことがあります。

ACLS-Rの気道管理

AHA ACLS-Rの呼吸停止の管理(気道管理)のセッションの話。
ACLS-Rは基本的には復習、確認の機会ですから、1時間かけてDVD流して気道管理を過ごすのは冗長過ぎる、、、との意見が少なくありません。DVDを使用しないで30分で行う"短縮セッション”を行う場合もあります。勿論AHAの許可を得ています。

気道の管理はACLSアプローチの"A"と"B"を占めるものだけに日常臨床の中で携わる機会は少なくありません。しかしながら、その割には意外と等閑にされている面があると感じています。心肺蘇生術の際も、胸骨圧迫の質は良くなってきていますが、気道管理の質はまだ不十分と感じることも少なくないです。CPRの質を検証したある論文(Arch Intern Med.2006;166:2375)によると、救急部門勤務の良くトレーニングされたスタッフでさえも、過換気の呼吸管理が多かったとのことです。

また、異論はあるでしょうが、Hands Only CPRの出現も見方によっては気道管理軽視を助長するものと考えてもよいかもしれません。

ということで、ACLS-Rにおいても、基本を改めて見直すという意味で1時間かけて気道管理の知識、技術を復習する方針が、自分としては好きです。
また、BLSインストラクターにも是非どんどんACLS、ACLS-Rの気道管理には参加頂きたいので、早く慣れてもらいたいという観点からも、DVDに沿って同一プログラムで行う方がベターかと思っています。

2009年12月23日水曜日

EDGEクイックコンボRTS小児用

小児用パッドの話で、ついでにもう一つ。
メドトロニック社製の「EDGEクイックコンボRTS小児用」という小児用パッドがあるそうです。



この電極は単に表面積が小さいだけで、減衰器が入っておらず、除細動器が出力したエネルギーはそのまま傷病者に伝わります。従ってこの電極を使えば成人であっても通常エネルギー量の通電が可能です。しかし、電極面積が小さいため電流の集中が起こりやすく、熱傷の危険性が高くなります。
メドトロニックの担当の方に教えて頂きました。

AED小児用パッド

AHA BLS for HCPでのAED、小児用パッドの話です。
プロバイダマニュアルには、"8歳以上の傷病者に小児用ショックエネルギー量を与えないように注意しなければならない”とか、”8歳以上の傷病者には必ず成人用パッドを使用する”などと記載されています。

コース中「なぜ成人に小児用パッドを使用してはいけないのか?」という質問がありました。

あまり深く考えていませんでしたが、なぜなんでしょうね。

BLSプロバイダーマニュアルには、"低エネルギー量のショックでは効果がない可能性があるから”と記載されています。小児用パッドを使用することで、一般的には放電されるエネルギー量は1/3-1/4程に減るとのことです(メドトロニックのLIFEPAKは1/4になるそうで、即ち200Jなら50J、360Jなら90Jです。フィリップスのFR2も50Jになるそうです)。
成人にAEDを使用する際に小児用パッドを装着するデメリットは、
・VFに対し二相性50Jの通電では除細動されない可能性がある(無駄なショック)
・不成功に終わるかもしれないショックの為に、胸骨圧迫を暫く中断することになる
・何らかの原因でAEDが誤解析し非VF波形に対しショックが行われる場合、低エネルギーの非同期下ショックとなり、かえってVFを誘発する場合があり得る

こんな感じでしょうか。これらの理由で一応は納得できるかと思います。

ところで、VFは50J程の低エネルギー通電(体外式)でどの程度除細動されるのでしょうか、されないのでしょうか。二相性10J程のcardioversion(勿論体外式)で洞調律に復するVTは経験がありますが、VFに対しての低エネルギー通電は経験がありません。体格等で大きく左右されるでしょうが。どなたかご存知の方は教えてください。

稀な状況でしょうが、成人の心肺停止傷病者に対しAEDを装着しようとしたところ小児用パッドしかなく、おまけに成人用パッド入手のメドが立たない場合どうしましょう。自分ならやむなく小児用パッドを装着し解析させ、必要ならショックを行うと思います。運が良ければ50JでVFが除細動されるかもしれません。されなければ、成人用パッド到着までひたすらCPRです。BLSコースでは口が裂けても言えません(笑)。

2009年12月22日火曜日

5秒以上10秒以内

AHA BLS for HCPでの話。呼吸の確認や脈の確認は、ご存知のように5秒以上10秒以内で行うことが推奨されています。
ある受講生が、練習中毎回「1,2,3,4,5」と数えてほぼ5秒で確認していました。当然、5秒ピッタリということはなく、5秒を超えることもあるし、5秒に満たないこともあります。実技試験のチェック項目には"5秒以上10秒以内"という目安がありますから、安心してこれをクリアするために「もう少しだけ余裕をもって5秒以上かけて(例えば7-8秒)確認してはいかがですか?」とインストラクターがその受講生に助言しました。すると、「もし心停止であった場合、少しでも早く胸骨圧迫したほうが良いですから、確認もなるべく短いほうが良いと思うんです。」とのお答え。
なるほど。いいこと言いますね。
それなら、日本のガイドラインのように呼吸と脈を同時にチェックしたほうが、時間の節約になりますね。
自分としては、医療のプロでも脈拍触知が難しいことは良く知られていますので、呼吸と脈拍を同時にチェックするなんて、難易度が更に上がるよなー、やっぱり別に行った方が良いのでは? という"判断の精度"に重きを置いた観点で見ていました。
従って、上記受講生の意見は自分にとっては、少し新鮮でした。究極は呼吸も脈もチェックしないhandsonlyということになりますね。

ただ、実際の現場では、脈拍触知するか否か、5秒以内に判断することは通常あり得ないように思います。脈がないであろうマネキン相手では5秒で脈なしと判断しうるでしょうが、通常なら脈があるであろう人間相手ではまさか脈が無いなんて、、という感じで、もっともっと頚動脈を探ることでしょう。10秒を超えることも多々有るでしょう。だからこその”10秒以内”なのでしょうが。
ということで、BLSコースで、"10秒以内"は重要と思いますが、"5秒以上"にこだわるのはナンセンスなような気がします、臨床現場とはやや乖離があるような気もします。

2009年12月20日日曜日

ACLS リソーステキスト

ACLS Resource Textの日本語訳テキストがいよいよ発売になるみたいですね(http://eccjapanheart.org/pdf/091208_ACLS_rt.pdf)。
有用な情報が日本語で得られることは本当にありがたいことです。日本ACLS協会と日本循環器学会に御尽力頂いたようですが、循環器学会はEPコース開催の予定は全くありませんし、ACLS EPコースを推進している日本ACLS協会が、より積極的と推測します。
協会の現状のEPコースなら、1日で30000円になるし、ACLS用マネキンの準備は不要で、必要経費は安く済むし、協会にとっては儲けが多くて、おいしいコースでしょう。EPコースを受講すれば基本的にはACLS更新にもなりますし、ACLS更新コースを開催するより、受講生にとってもオイシイかも(笑)。幅広い、新たなことが学べる機会としては大変素晴らしいですが、EPコース受講してのACLS更新はかなり問題がありますので、複雑ですー。

パンクブーブー

最近通常業務も多忙で、おまけに土日は自施設でAHA BLS、ACLS-R、BLS-Rを開催しました。更に、金曜深夜というか土曜日未明に緊急カテがあり、ほぼ一睡もせず土日のコースに突入しましたので、疲労度は大きなものでした。おまけに日曜日早朝も緊急カテでした。それでも、皆様のご協力で全てのコースが無事に終了致しました。今年最後の自施設開催のAHAコースでした。有り難うございました。来年も宜しくお願い致します!
ということで、今夜はほっと一息ついています。M−1グランプリなどという、低俗テレビ番組がついていたので、ついついみてしまいましたが、”パンクブーブー”は最高に面白かったです。腹がよじれて、涙が出ました(笑)。どんな分野でも一等賞は、凄いです。

よかった。

最近、忙しくてブログ更新もままなりません。
院外VF、難治性VFで、救急隊AED、当院の二相性除細動器含め、計16回の電気的除細動を施し、ようやく自己心拍再開し入院中だったSTEMI患者が、今週末独歩退院しました。全く後遺症はありません。皆一生懸命胸骨圧迫を継続していたことが功を奏したと思います。よかったよかった。
深呼吸すると胸が少し痛いと言っていまして、ひびくらい入っているのかもしれませんが、そのくらいは大目に見てもらいましょう(苦笑)。

2009年12月17日木曜日

恐怖のベプリコール

心房細動を有する高齢男性。心不全の既往あり。リズムコントロール目的にこれまでいくつかの抗不整脈薬が処方されたようですが、無効で、最近ベプリコールが処方開始されました。その2週間後、繰り返す失神を主訴に救急受診されました。著明なQT延長、Torsades de pointes(TdP)による失神でした。



ベプリコール(ベプリジル)は持続性心房細動に適応が認可されています。しかし副作用としてQT延長によるTdPの出現が少なくありません。心房細動への投与にて約1%の頻度で出現するとされますが、基礎心疾患や心不全を有する場合は5%にも及ぶとのデータもあります。しかも、不整脈専門家が慎重に用量調節や心電図チェックをしていても、そのくらい生じるということですから、非専門家が不用意に処方すると、恐らくもっと高率に出現するものと推測します。抗不整脈薬による心房細動のリズムコントロール(洞調律に戻すこと)は生命予後改善のエビデンスはありません。生命予後の改善が明らかでない治療で、致死的不整脈が出現するというのはやはり問題です。よほどの専門家以外はベプリコール処方を避けた方が無難なような気がします。

2009年12月13日日曜日

Kamakura Live Demonstration 2009 終了

盛りだくさんのKamakura Live Demonstration2009が終了しました。wire perforationや、ガイドカテによる冠動脈解離、RITAへのガイドカテdeep engageによる広範な解離、ガイドカテによる冠血流低下による血行動態悪化、などなど大小含め合併症も散見され、インタベンション治療の良いところのみならずリスクも改めて学ぶことができました。
齊藤滋先生の技術の高さは誰もが認めるところで、存分にその凄さを発揮していましたが、周囲のコメディカルや助手に対して怒りを露にしている姿が頻回に目につきました。天才的な、高度かつスピーディーな手技をサポートしていくのは大変なことと思います。朝から晩まで、3日で50例近くのインターベンションを行う肉体的精神的ストレスも想像を絶するものでしょう。確かに気が利かなそうなスタッフも居ました(苦笑)。それでも、世界のスーパードクター齊藤ですから、どんな場面でもゆとりを持って大らかな態度を保っていて頂きたいと思ってしまいます。カテもteam dynamicsが大事と感じました。

2009年12月12日土曜日

Kamakura Live Demonstration 2009


昨日は末梢、KNIC、本日はPCI。Kamakura Live Demonstrationに参加しています。湘南鎌倉病院ほどの大病院でも人手不足なのか、EVTのオペレーターは少々物足りなく、おまけにコメンテーターも経験豊富な方が乏しい時間帯もあり、正直学ぶことは少ないEVTライブでした。インターベンションの適応も???の症例も少なくなく、欲求不満の残る内容です。JESのほうが学術的、教育的には遥かに勝っていると感じました。
本日のPCIについては、バーチャル2F PCIは結構衝撃でした。良い面も感じましたが、悪い面も露呈され、勉強になりました。
Kamakura Liveは、"slender"を強調し始めた頃から少々eccentricな世界に進んでいるようで、明日の臨床に役立つライブ、、という感じではなくなってしまったような気がします。充実感では、先日の仙台新東京ライブのほうが遥かに勝っている印象です。といいつつも、明日も朝から参加する予定です(笑)!

2009年12月11日金曜日

最終波形確認

マニュアル式除細動器で、非心停止の頻拍にcardioversionを施行する際、”ショックします”、”みんな離れて”のいわゆる安全確認をした後、放電寸前に最終波形を心電図モニターで確認することを自分としては推奨しています。安全確認をしている間に自然に洞調律に復する可能性があり得るため、不要なショックを避けることを目的に必要な行為と思っているからです。また、非心停止ですし放電を焦る必要はありません。
一方で、心室細動に対する電気的除細動の時は、上記ケース程は特別言及はしません。1秒でも早い放電が望ましいと思っているし、安全確認をしている間に心室細動が自然に洞調律に復する可能性はほぼゼロに近いと思っているからです。
しかしながら、Up To Dateには、「心室細動は稀ではあるが自然に除細動しうる」と記載があります。うーん。やっぱり除細動の時も最終波形は確認したほうが良いのかな?
心室細動が自然に除細動される可能性はどの程度のものなんでしょうか。「稀、、」とは、どの程度のものなのかな?御経験のある方はコメントください。

2009年12月10日木曜日

アミオダロンの除細動閾値への影響

すっかり忘れていました。11月21日の不安定頻拍性心房細動に関する話。不安定頻拍にcardioversion施行するも再発するためアミオダロンを投与したところ、かえってcaridoversionできなくなってしまった、という展開でした。
後日K大学の不整脈専門家K先生とそのケースのお話をする機会がありました。K先生の御経験では、不安定頻拍性心房細動を呈しているケースに対しアミオダロンを静注することで洞調律に復し、難を逃れることが少なくないとのこと。しかしながら、アミオダロンを投与することで除細動閾値を上げてしまうことはやはりあり得るので、電気的除細動閾値を下げる目的ならニフェカラントの方がよいでしょう、とおっしゃっていました。
11月21日のケースで、アミオダロンを投与しても洞調律に戻らず、かつ電気的除細動も無効であり、依然不安定の状態が続いているなら、ニフェカラントを使用し除細動閾値を下げた上で電気的除細動を施行する手もあったのでは?と貴重な意見を頂きました。プロフェッショナルの世界の話です。非不整脈専門医は真似しないほうが無難かも(笑)。非循環器医は真似してはいけません(笑)。
アミオダロンの除細動閾値上昇作用はICDで使用される比較的小エネルギーのレベルのことであり、体外式の除細動のレベルではあまり影響の無い程度のもの(8/23)、と聞いたこともあるのですが、本当のところはどうなんでしょう。
今回のケース以外にも、以前VTにアミオダロンを投与しかえってcardioversionできなくなったケースがありました。たった2回だけですが、臨床現場での経験はimpressiveです。経験的には、体外式の除細動でも影響がありそう、、、と思ってしまいます。

2009年12月9日水曜日

EMalliance Blog

日本の救急医療は崩壊状態と言われて久しいですが、しかしながらそんな救急医療を変えようと志の高い若者集団がいます。北米型ER(救急医療)に興味のある方々です。本当に勉強熱心で感心してしまいます。

”夢と、若さと、情熱で日本の救急医療を変える!EMalliance Blog"

HPが立ち上がったばかりのようですが、今後が楽しみです。

2009年12月8日火曜日

STEMI?

中年女性が突然卒倒。目撃あるも、バイスタンダーCPRなし。救急隊現着時心静止。当院搬入後アドレナリン投与後心拍再開。12誘導心電図ではST上昇あり。



心エコーでは左室心尖部の壁運動低下所見あり。
STEMIを疑い、緊急CAG施行するも、冠動脈に有意狭窄なし。左室造影ではいわゆるタコツボ様。
頭部CTを撮影したところ、派手なくも膜下出血でした。くも膜下出血による心肺停止、タコツボ型心筋症併発、という病態だった可能性が高そうです。心肺停止に至ったくも膜下出血ですから、もともと厳しい病状であったわけですが、CAGの時にヘパリンを使っており、更に追い打ちをかけてしまった可能性があります。
しかしながら、緊急CAGを施行した判断は決して責められるものではありませんし、やむを得ないとも思います。

このようなケースでは、卒倒の状況、その時の随伴症状の有無、救急隊現着時の心電図所見、自己心拍の戻り具合、心エコー所見、心電図所見等の情報を慎重に吟味し、頭部CTを優先するかCAGを優先するか判断する必要がありそうです。

2009年12月6日日曜日

つぶやき

久しぶりに興奮するK-1でした。バダハリの勇気とスピードは凄かった。アリスターのパワーは凄いが、それに加えバダハリのハイキックを受けても倒れない逞しさも恐るべしです。強さは本物です。またバダハリとの戦いが見たいです。セームシュルトもやっぱり規格外。
寝不足で眠かったのに、K-1みたら覚めちゃった。

2009年12月5日土曜日

食事

糖尿病研究の第一人者J大学のK先生の講演をお聞きする機会がありました。講演の中で糖質制限に関しての御意見もありました。「糖尿病患者の食事における糖質の至適割合に関してはまだcontroversialである。しかしながら極端な糖質制限が望ましいと主張している人がいるが、これは誤りである。脂質中心のエネルギー摂取は、見かけ上の血糖値は下がるが、心血管イベントを抑制することにはつながらない。誤った食生活を行い、余計に悪化してJ大学を受診される患者も少なくない、、、」といった趣旨のコメントを研究データ等を示しつつ述べられていました。
やはり、糖質ゼロの食事(10/29,10/30)は学術的には疑問視されているようです。

糖尿病ではなくとも、過食、運動不足等により多くの人が知らないうちにIGT(耐糖能障害)に陥っています。IGTになると、動脈硬化が促進され、DMに匹敵するほどの割合で心血管イベントを生じてきます。40歳代のACSは良く目の当たりにしますし、30歳代のACSも珍しくありません。そのような人はIGTやDMを有していることが多いです。人ごとではありません。早いうちからの生活習慣是正が極めて重要です。腹が出てきた人、少し血圧が高めの人、少しコレステロールや中性脂肪が高めの人、などは要注意であり、、”少し”であっても、危険な兆候のようです。そのような人は75gOGTTを施行して、IGTの有無をチェックするとよいと思われます。IGT+上記の軽度異常は、相乗的に動脈硬化を促進させます。要はメタボリックシンドロームですね。。。
糖質の至適割合に関してはまだcontroversialとのことで、心血管イベント予防のための"バランスの良い食事”とは何が理想かわかりませんが、IGTの方には、日本食 + αGI が良いとK先生は言っていました。

自分は、食事においては糖質は少なめを心がけていますが、相変わらずビールや日本酒は飲んだくれで、これにより程よい糖質摂取となり、結局バランス良くなっていると思っています(苦笑)。1日1食生活はまだ続いており、元の体重から4-6kg減を維持しています。

2009年12月4日金曜日

難しいけれど

中年男性が、日中胸痛に加え両肩、両腕のだるさが出現し、病院受診も考慮したようですが、マッサージ屋に行ったそうです。幸い症状は自然消失しましたが、同日夜間症状が再発し当院緊急受診となりました。結局急性冠症候群で、PCIを施行し、事なきを得ました。
先日も急性大動脈解離の患者が背部痛を訴え、整体に行ってマッサージをしてもらっていたというエピソードがありました。胸や背部、肩などの痛みで、整形外科を受診した急性大動脈解離や急性冠症候群の方も稀ではありません。
整形外科医、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師、整体師など背部や肩、腕の症状を訴える方を目の当たりにする機会の多い方は、急性冠症候群や急性大動脈解離などの致死的心血管疾患を頭の片隅に入れておくことは大変重要と改めて感じた次第です。肩や背中の不調を訴える方は星の数ほどいらっしゃいますので、頻度は稀でしょうが、、、。

2009年12月2日水曜日

死戦期呼吸?死線期呼吸?

あるMLで、agonal respirationは「死戦期呼吸」か、「死線期呼吸」か、が話題になりました。以前、Kim先生のブログでも話が出ていました。
自分としては、AHAの日本語版マニュアルに記載されているように、当然のように「死戦期呼吸」と思っていました。
”死と戦う”死線期か?”死の線上”の死線期か? 考えてみれば、どちらでもいいような気がしてきます。
新潟のある先生によると、消防関係では圧倒的に「死線期呼吸」が使われているとのこと。

「死戦期呼吸」をGoogleで検索すると、1160000件ヒットします。
「死線期呼吸」をGoogleで検索すると、20700件ヒットと上記より遥かに少なく、おまけに、”もしかして:死戦期呼吸”といったコメントも現れます。
同様にYahooでは、「死戦期呼吸」731000件、一方「死線期呼吸」は13000件と少なく ”死戦期呼吸ではありませんか?” のコメントも出ます。
世の中においては、AHAのプロバイダーマニュアル日本語版に記載されているとおり、「死戦期呼吸」が主流のようです。
学術的には不明確な面はありそうで、学会レベルでの用語統一が望ましいとは思います。

難治VF

中年男性、院外CPA、難治性VF患者に遭遇しました。救急隊のAED無効で、当院搬入後も二相性200Jの除細動を繰り返しましたが無効、質の高いBLSしつつ、気管挿管、アドレナリン、アミオダロン、リドカイン、メイロン等使用しましたが難治。PCPSをプライミングして、挿入寸前に自己心拍再開しました。
緊急CAGでは右冠動脈閉塞、左前下行枝90%の2枝病変でした。右冠動脈にPCIを施行しました。PCI中冷却輸液やアイスノンで冷却しましたが、先日の「RhinoChillデバイス」があれば良いかもしれないなあ、、と思いました。
冠動脈から吸引した憎き血栓です。

2009年11月30日月曜日

早期脳冷却CPR

AHAScientificSessions2009で発表されたPRINCE試験なるスウェーデンを中心とするヨーロッパの研究。心停止の確認された182人を通常のCPRを行う群(99人)と、RhinoChillデバイス(鼻カニューレを通じて冷却液を注入するデバイスらしい)を使用し脳を冷却しつつCPRを行う群(83人)に無作為に割り付けた。
通常CPR群の31%に対し、冷却CPR群では46.7%が生存退院し、神経学的状態もより良好であった(21.4%vs36.7%)。心停止後10分以内に蘇生が開始された137人では、通常CPR群の29.4%に対し、冷却CPR群では59.1%が生存退院し、退院時に神経損傷のない患者の割合も高かった(17.6%vs45.5%)。VF患者では生存率が高く、本試験に登録された56人のVF患者では、通常CPR群の47.6%に対し冷却CPR群では62.5%が生存退院し、退院時の神経損傷のない割合も高かった(28.6%vs50%)。
治療により3例の鼻血、13例の鼻の変色を含む18例の有害反応を認めたが、変色は生存した患者全員で回復した。

早期脳冷却CPRは結構有効性が期待できる方法のようです。

2009年11月29日日曜日

心タンポナーデの心電図モニター

AHA ACLSプロバイダーマニュアルには、PEAの原因検索における役立つ情報として”心電図モニター上の手がかり”の項目があります。心タンポナーデは心電図モニター上は「狭いQRS幅の頻拍」と記載されています。
確かに、慢性的に貯留した心嚢液によりタンポナーデに陥った場合は頻拍になるものと推測されます。しかしながら突如貯留した心嚢液によりタンポナーデに陥った場合は、(恐らくは迷走神経反射亢進が生じ)いきなり徐脈になることが多いのではないでしょうか。最近たびたび登場した急性大動脈解離Stanford A型により心タンポナーデに陥ったケースにおいても頻脈になった経験は全くありません。突然徐脈になります。

2009年11月28日土曜日

仙台新東京ライブ


今日は仙台新東京ライブに参加しました。
新東京の中村先生は様々な噂が飛び交い賛否ある方ですが、根っからの臨床家であることがひしひしと伝わっくるライブのコンセプトで、大変好感が持てる構成でした。また、LMTとbifurcationへのインターベンションに焦点が当たっており、学びの焦点も定めやすく、質の高い学術集会であると感じました。ただ、ライブ自体の時間が少ないことが大変残念でした。明日も参加予定です。明日も沢山のことを学びたいと思います。

2009年11月25日水曜日

”cm”と”mm"

今日はインターベンション系のある研究会で、かつて大変お世話になった、自分が永遠に尊敬する先輩に久しぶりにお会いすることができました。会話の中でのその先輩のお言葉「血管外科のEVTは”cm”の世界。循環器医のEVTは"mm"の世界。明らかに技術的に差がある。」(EVT:Endovascular therapy(血管内治療))
世界の血管外科医の技術を間近に見た上でのその言葉には妙に説得力がありました。(参考

2009年11月22日日曜日

独歩来院

高齢男性。気分不良で独歩来院。血圧120/程ですが、徐脈。心電図とったら、ちょっとびっくり。

こんなに徐脈でも歩いて来院できることに驚きました。P派は判然とせず、洞不全+接合部補充調律でしょうか。
初期対応をした初期研修医はIV,O2,モニターして、除細動器/TCPをベッドサイドに用意しておいてくれました。すばらしい。AHA ACLSコースを受講してくれている研修医でした。
アトロピンをIVしつつ、TCPをいつでも作動させられる状態にして頚静脈ペーシングを挿入しました。結局腎機能悪化、高カリウム血症が背景にありました。

研修医や非循環器医には、TCPは躊躇なく作動させましょう、とお伝えしていますが、やっぱりTCPのあの痛み刺激は気になります。循環器医として徐脈自体のリスクを勘案して、作動させずに対応しましたが、研修医教育としてはあまり良い姿ではなかったかなとも思います。

2009年11月21日土曜日

不安定頻拍性心房細動

5-6時間前からの嘔気、嘔吐、気分不良で救急搬送された中年男性。血圧60-80/とショック状態で、心拍数190bpm前後とかなりな頻拍。ぐったりとした感じで重症感あり。
心電図は基本はQRS幅の狭い頻拍ですが、時にQRS幅が広くなります。


RR間隔は不整であり、P派も判然とせず、頻拍性心房細動が最も疑われました。QRS幅が広くなることろは変行伝導でしょうか。いずれにしてもこの頻拍が状態を悪くしている可能性が高く、不安定頻拍として同期下電気的cardioversionを試みました。二相性100Jでショックしましたが、一瞬洞調律に復すものの直ぐに心房細動に戻ってしまいました。念のため、もう一度150Jで試みましたが同様に直ぐに再発してしまいました。再発予防としてアミオダロン150mg/10分で静注しました。
またこの間、著しい代謝性アシドーシス(pH7.0)が発覚し、メイロンも併用しました。アミオダロン投与後、再度150Jでショックしましたが、今度は全く洞調律に回復しなくなりました。200Jに上げてショックしましたが、やはり一瞬も洞調律に戻らず、無効でした。
ただ、アミオダロンの陰性変時作用のためか心拍数は160-170bpmほどに低下傾向、アシドーシス補正も効いたか、血圧はやや上昇傾向80-90/、自覚症状も軽減し、著しい不安定状態からは脱してきました。心臓超音波検査で観察すると、左室収縮能は悪くなく、器質的異常は明らかではありませんでした。左房拡大なく心房細動も慢性なものではない可能性が高いと推測されました。血管内脱水もあり、補液を増量しました。ジギタリスと少量のヘルベッサーを投与し心拍数コントロールを試みました。循環動態は徐々に軽減改善し、数時間後には洞調律に回復しました。

その後アルコール多因歴などが明らかとなり、アルコール性ケトアシドーシスが病態の主と疑われました。アシドーシスと著しい脱水状態から頻拍性心房細動を続発し、状態がさらに悪化した、、、というようなシナリオの可能性が高いと推測されています。頻拍性心房細動による純粋な不安定頻拍ではなかったということです。臨床はシンプルにはなかなか行きません。本当に難しいです(汗)。
結果的には決して間違った対処にはなっていませんが、学びの多い経験でした。

1.不整脈そのもののみならず全体的な病態を見る習慣を忘れてはいけません、とまたまた再認識致しました。
2.アルコール性ケトアシドーシスという病態を学びました
3.頻拍性不整脈の改善においてもH's and T's(脱水、アシドーシス)の補正が重要であることを認識する良い例でした
4,アミオダロンの除細動閾値上昇作用の可能性を再認識しました

各項目についてはまた後日触れようと思います。

2009年11月16日月曜日

CPRの中断

先日のBLSコースの反省会の時、自分としては、はっとさせられる話題がありました。

BLSプロバイダーが、一度始めたCPRを中断して脈拍チェックをすることは基本的にはありません。明らかなる随意的な動きの出現や意識回復が無い限りはひたすらCPRを継続するわけです。

窒息に陥った傷病者に対し腹部突き上げ法を施していますが、奏功せずついには意識を失い、横たわってしまいました。BLSプロバイダーは、救急コールとAEDを要請し直ぐにCPRを始めます。
さて、AEDが到着した時、どう対応するのでしょうか?

AEDは意識無く、呼吸無く、脈拍が無い、心肺停止と判断した傷病者のみに装着します。窒息で倒れた方は"CPR"をしているにもかかわらず、心肺停止か否かは判断できていません。
従って、AEDが到着したら"CPR"を中断して、脈拍確認をする必要があります。脈拍が無ければAEDを装着しますし、脈拍があればAEDは装着しません。
"CPR"を中断して脈拍チェックするという行為に抵抗を感じてしまいますが、このケースは、BLSプロバイダーが"CPR"を中断して脈拍チェックをする必要がある例外的状況でしょうか。
AHAは、窒息で意識を失った傷病者に対する処置を"CPR"と表現していますが、正確には決して"CPR"ではなく、単なる"胸部突き上げ法"です。教育的にシンプルにするために"CPR"としているのでしょう、恐らく。心肺停止に移行した時にも良き対処につながります。

したがって,窒息で意識を失った方に対する胸部突き上げ手技を"CPR"と表現することは必ずしも正確ではないと思われますし、”CPR”と表現することで中断に抵抗感が生まれますが、AEDが到着したら、一度中断して呼吸循環をチェックしAEDの適応の有無を検討する必要があると思われます。まあ窒息を解除しなければ根本的回復は望めないでしょうが。

2009年11月15日日曜日

2人の救助者による乳児のCPR

AHA BLSコースで、2人の救助者による乳児のCPRにおいて、「5サイクル(約2分)ごとに役割交代する」とプロバイダーマニュアルに記載されていますし、DVDでもその旨言っています。
乳児の2人によるCPRでは胸骨圧迫と換気は15:2ですから、5サイクルと2分は矛盾します。
5サイクルなら概ね1分ですし、2分なら概ね10サイクル。交代タイミングはどっち?と以前から議論になったことがたびたびありました。
と思ったら、2009年9月Errata が出ていたんですね、知りませんでした。
結論は、「2分毎に役割交代」だそうです。サイクルの記載はないようです。すっきりしました。

2009年11月13日金曜日

基本

AHA ACLSコースでインストラクションを行うにあたり、AHAで提供されるポスターなどの教材以外に自分なりに工夫して補助教材を作ることがあります。受講生の理解を促すために、とか、見やすいように、、、との意識で始めるわけですが、知らず知らずのうちに補助教材が増えていく傾向があります。更にはプロバイダーマニュアルには出ていないが、ACLS Resource Textなどに出ていることを補助教材として作り込み、提供してしまったり。極端な例では、補助教材が指導の中心になってしまったりして。
補助教材は受講生は持っていません。プロバイダーマニュアルは持っています。
やはり補助教材はあくまでも補助。プロバイダーマニュアルを主体に、その都度関連のページを提示させたりしながら指導することが、当たり前のようですが、重要です。参照して頂いた箇所はそれなり印象に残るでしょうから、受講生も後で復習しやすいです。
教えすぎないことも重要です。モニターチェックリストにも”教えすぎず”との記載があります。
当たり前なのですが、大変重要なことを再認識致しました。

2009年11月12日木曜日

また、、、

その後、また一例ありました。
重症心筋梗塞で入院中の患者。PCIから1週間程経ち、病状は落ち着いていたのですが突如ショックとなりました。原因検索や、中心静脈路確保など対処中に心肺停止、PEAになりました。
結論としては、CTにて後腹膜腔に巨大血腫を認め、この出血によるhypovolemiaでした。カテとは直接の関連はありません。抗血小板薬は複数投与されていました。
血栓症と、出血性合併症は本当に紙一重で、特に高齢者はなかなか難しいです。



2009年11月11日水曜日

specific diagnosis

先日のACLSの反省会で今さら気づいたこと。
ACLSメガコードケースB:安定頻拍→VF→PEAのシナリオ。
メガコードテストチェックリスト4で、QRS幅の狭い安定頻拍に対し、「頻拍を認識する(特定診断のために12誘導心電図、臨床情報収集等を行う)」と記載がありますので、メガコードテストでは、12誘導心電図を記録しなければ(するよう指示しなければ)Remediationの対象になると思っていました。
しかし、ACLSプロバイダーマニュアル英語版では「Recognizes tachycardia(specific diagnosis)」という記載になっています。必ずしも12誘導心電図を記録しなくても診断に迫れれば言い訳ですね。(当然、現場では是非12誘導心電図を記録して頂きたいですが。)
英語の原本を良く読んでおかないといけませんね。


2009年11月10日火曜日

恐怖の経鼻胃管挿入

高齢女性に経鼻胃管を挿入中、突如心肺停止、PEAに至った事例がありました。
直ぐにCPRを開始、途中VFにも移行し、除細動や、アドレナリンも要しました。
自己心拍再開し,一命を取り留めました。
それなりに重症疾患を有する患者でしたが、心肺停止に直結する病態が特に見当たりませんでした。
経鼻胃管挿入は迷走神経反射を亢進しうる手技です。強い反射を促し、心肺停止に至ってしまったのでしょうか。なかなか経験しないケースと思います。当院では経鼻胃管はたいてい初期研修医が行う手技ですが、このようなケースもあり得るという認識が必要かもしれません。

2009年11月9日月曜日

QRS幅の広い頻拍

高齢女性が呼吸苦、食欲不振を主訴に救急受診。血圧110/70、PR150程と頻脈。SpO290%強。心電図をとったら急患室は騒然となったそうな(苦笑)。


うーん、確かに。QRS幅の広い頻拍。ドキッとします。”わからねばVTと考えよ”。
その通りです。非循環器医やコメディカルの方なら、循環器医に直ぐに相談しましょう。
相談しつつ情報収集。こんなとき役立つのは?そう、過去の心電図ですね。

今回も、有りましたー!1年前の心電図(喜)。


洞調律ですが、今回の頻拍時のものと極性は同じです、どの誘導もQRSの向きが同じです。頻拍時のRR間隔は不整ですから、これは元来の左脚ブロック+頻拍性心房細動の可能性が高そうです。非循環器医がここまで読む必要はないですが、QRS幅の広い頻拍であっても明らかなるRR間隔不整であればVTではない可能性が疑われるわけです。
このケース、ジゴキシン、ヘルベッサー静脈内投与により、こんなになりました。P波は確認できず、RR間隔は絶対不整、明らかに心房細動です。


結局、頻拍性心房細動により心不全に陥ったという病態だったようです。
心室応答コントロールで病態は改善傾向を示しました。

心不全症状を有する頻拍ですと、ACLS的には不安定頻拍と考えることになるでしょう。とすると、cardioversionが第一選択になります。非循環器医のみで対処せざるをえない状況においては、その方針も悪くないです。でも可能な限り循環器医にコンサルトすることがやっぱりより安全です。

循環器医はより専門的な判断で、上記の対処になります。しかしながら安易に非循環器医が真似をしないほうがいい、ということは常に研修医にはお伝えしています。

2009年11月8日日曜日

モニター

今週末はACLSコースに参加しました。インストラクター更新のためのモニターを受けさせて頂きました。最近は諸々の事情で自身でACLSのインストラクションする機会が随分と少ないこともあり、”感覚”が鈍っているという感じは否めませんでした。インストラクションはコンスタントに継続することが、良きインストラクターとしての大事な因子の一つと改めて感じました。
また、自身のインストラクションを客観的に評価される機会の必要性を痛感しました。質の高いインストラクションを自分なりに追求するうちに、方向性が微妙にぶれてくることがどうしてもあり得ます。この方向性の是正が必要です。そのような意味でも、今回のコースは自分にとっては大変有意義でした。

2009年11月6日金曜日

阪神淡路大震災から14年


先日当院で「災害医療の原点へ」という講演が行われました。阪神淡路大震災に関する講演です。もう14年前のことですが、思いは全く薄れていない、講演でした。
阪神淡路大震災が起きたまさにその時、兵庫県立淡路病院で当直業務をしていたという水谷先生がお話頂きました。当時の現場のビデオが放映されました。貴重な映像です。淡路病院の救急外来は大混雑。次々救急車が搬入され、廊下でCPRをしている姿などが映し出されています。今程トリアージなるシステムはあるわけもなく、しかしながら、それなりにトリアージされていたり、混乱しながらも工夫する姿も垣間みれます。
14年前にもなりますが、自身の貴重な体験と、貴重な映像で、多忙の中、今もなお講演活動で全国を駆け回り、災害医療の重要さを訴えている水谷先生の姿勢には感銘を受けました。
一見災害とは無関係の循環器内科の先生です。自分と同じ科ですので、なおさら感心しきりです。
災害は他人事ではないこと。明日にでも降り掛かることがあること。十分に準備しておくこと。よく考えて行動すること。。。。当たり前のことといえばそうなのですが、いろいろと改めて身にしみることが多々あります。

熱い思いがひしひし伝わってくる講演でした。
まだ講演して頂いていない施設であれば、お願いするとよいと思います。

2009年11月5日木曜日

よかったよかった

今日は気分がいいです。ヤンキース松井MVPおめでとう。大道、亀井、阿部、みんな良く打った。万歳ジャイアンツ。おやすみなさい。

キター!

昨日書いたACLS EPコースのスタッフ参加要望の件。
なんと、記事を書いた途端にCDの先生からメールが来ました。

検討いたしましたが残念ながら先生のご要望にそうことは出来ませんことを御返答申し上げます。
先生の熱意は有り難く誠に敬服しておりますが何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。


お返事頂けたことは有り難いことですが、、うーん、やっぱり難しいみたいですね(苦笑)。
それでも、”検討”してくださったんですね。感謝致します。

いずれにせよ、『JAA-ITCは、他ITC所属者のスタッフ参加を認めない』と解釈できます。

色々な背景があるのでしょうが、その過程はどうであれ、結果として"学びの機会"を制限してしまう姿勢は、同じく教育にたずさわる者として大変残念なことと個人的には思います。

考えてみれば、ACLS EPコースを受講させて頂けただけ有り難い話ではあります。

2009年11月4日水曜日

返事

そういえば、日本ACLS協会のACLS-EPコース受講後に、今後復習のためにスタッフ参加が可能かをお聞きしたところ、「この場ではお答えできないので後日メールで御連絡します」との返事を頂いていました(9/24みんな仲良く。)。自分はJCS-ITC所属ですので、微妙なお願いを協会の方がどのように対応して頂けるか楽しみにしていたのですが、予想通り、返事は今のところありません(苦笑)。ざんねーん。

アナフィラキシーにおけるエピネフリン

ACLS Resource Textには、アナフィラキシーにより全身的な徴候を呈している患者は全例早期にエピネフリン筋注投与せよ、と記されています。
低血圧や気道浮腫、呼吸障害を呈しているなら勿論ですが、そうでなくとも投与したほうがよいと解釈できます。
アナフィラキシーに対するエピネフリンの作用は単なる血管拡張や気管支拡張と思っていたのですが、そうではないとACLS-EPコースで教えて頂きました。
エピネフリンのα作用は血管収縮を来たし、血圧を上げ、冠灌流を改善し、血管浮腫を軽減します。β2作用は気管支攣縮を軽減します。この辺は当たり前かもしれませんが、更に肥満細胞や好塩基球から各種メディエーターの放出を抑えるそうです(The Textbook of Emergency Cardiovascular Care and CPR)。
アナフィラキシーにとってエピネフリンは特別な薬と考えましょう!とコースでは教わりました。
臨床現場ではまだまだエピネフリン使用頻度が少なかったり、量が足りなかったり、投与方法が不適切であったりすることが少なくなく、これがアナフィラキシーによる死亡につながっている、と上記Textbookには記載されています。
アナフィラキシーへのエビネフリン投与の絶対禁忌はなく、アナフィラキシーの症状回復や救命は早期かつ十分なエピネフリン血中濃度、組織濃度にかかっている、、とも記載されています。だいじなんだ。
エピネフリンは、アナフィラキシーにとっては大変重要な薬のようです。


2009年11月3日火曜日

新ダイエット法

最近朝食、昼食は採らず、夕食のみの食生活です。普通に空腹感を感じますが、死にそうなくらい(笑)の空腹感は意外と感じません。やはり釜池氏の言う通り、朝食をとらないことがよいのかもしれません。
先日親知らずを抜歯しました。なかなか血が止まらず、翌日は1日中出血が持続、終日口の中は血の味がしました。この日は驚くくらい空腹感を感じませんでした。じわじわしみ出る血液を飲んでいたからだと思います。良いことを思いつきました。これは、良いダイエット方法だ!(笑)。
腹が減ったら自分の血液を舐める。空腹感で苦しむことなく、痩せることができます(笑)。

2009年11月1日日曜日

また大たこ

呼吸困難、胸部不快、意識障害で搬送された高齢女性。血圧190/、Sp0294%(6L酸素)。心電図はまたまた広範なST上昇。

STEMIにしては広範すぎるし、タコ??
ポータブル心エコーで心臓を覗くと、左室心尖部の動きは多少悪く見えるもほぼ左室収縮は正常と思われ、タコじゃない?小タコ???。
その割にあまりに心電図変化が派手すぎる。。。くも膜下出血??意識障害もあるし。190/ほどであった血圧を下げつつ、頭部CTを撮影、有意所見なし。
もういちど心臓専用の心エコーで施行したところ、あれれ??左室心基部のみ収縮し、他は著明な壁運動低下している大ダコでした。たこつぼ型心筋症では、心電図ST変化→壁運動異常の順で変化するのでしょうか?通常心筋虚血では、冠動脈閉塞→壁運動低下→心電図ST変化→胸痛 となりますが。。。
ちなみに意識障害は、心不全→肺水腫→換気不全→CO2ナルコーシス(+低酸素)でした。
たこつぼ型心筋症により心不全になったのか、afterload mismatch?による心不全肺水腫で苦しくてたこつぼ型心筋症を続発したのか、わかりません。

2009年10月31日土曜日

予想外

当直中、胸部絞扼感、呼吸苦で救急搬送された中年女性。バイタルサインは安定。心電図を記録してみると僅かなST低下を認めるも、著明な所見は認めず。


左回旋枝の急性心筋梗塞?すぐに心エコーを施行してみましたが、左室壁運動異常は明らかでなく、左室収縮は大変良好でした。?。このような時は大動脈解離や肺塞栓といった鑑別
が頭に浮かびます。
と思ったら、「先生、胸が苦しくなった時から左腕が動きづらいんです」との訴えあり。診てみると確かに不全麻痺がありそう。下肢は客観的にはほぼ正常に近いくらい動きますが、聞いてみると左足も少しへん、、と言います。客観的には発語もスムースですが、自覚的には少ししゃべりづらい感じもある、と言います。
脳卒中じゃん?。tPAも考慮しなきゃ。まずは頭部CT撮らないと。と思い、放射線当直に連絡。他患者の検査中とのことで少々待ち。脳外科にも連絡。その間、急性大動脈解離→脳虚血も疑い、エコーで出来る範囲で評価。心エコーで上行大動脈、大動脈弓、腹部大動脈に明らかなフラップなし。頚動脈エコーで総頚動脈にフラップなし。違うかな? そんな間に、徐々に麻痺が強くなり、左上下肢の麻痺が著明になってきて、構語障害も出現してきました。いそげー。
ようやく頭部CT撮影、病的所見なし、出血は認めませんでした。変な胸部症状があるだけに、大動脈解離の併発も十分に否定しておきたく、大血管CTも施行、解離はありませんでした。ちなみに肺塞栓もありませんでした。
虚血性脳卒中として、脳外科医に対応頂きました。

CT後幸いにも著明に神経症状が軽減し、結果的には、tPAは施行しませんでした。
胸部症状も知らないうちに治まっていました。

ところで、胸部症状はなんだったんでしょ?。わかりません。まぎらわしいです(苦笑)。

来院からCT撮影までに50分くらいかかってしまいました。初めから丁寧に診察していたらもうちょっと早かったかもしれません。普段、ほとんど心臓の患者しか診ていませんので、視野が狭くなってしまいます。心臓ばかりみているといけません。つねに全身を診る習慣を忘れないようにしないといけません。反省反省。

2009年10月30日金曜日

糖質制限

昨日の続き。糖質ゼロ、糖質制限。かつて、低炭水化物ダイエット、低インスリンダイエットなどが流行ったそうですが、それと同じ理屈でしょう。僕はダイエットには疎いので良く知りませんでした。

糖質、ブドウ糖に対する著者の考え方は以下の如くです。

・古来人類の主食は骨或いは骨髄であった。その後石器を開発したことで肉が加わった。いずれも糖質は含まれない
・その後、本来の主食にはない、糖質を多く含む物を食べたために、肥満、糖尿病などが発生した
・三大栄養素「糖質、脂質、タンパク質」。人の主要エネルギー源は糖質(グリコーゲン、ブドウ糖)ではなく、脂質(中性脂肪、脂肪酸、ケトン体)である。
・自然界の動物は通常は脂質をエネルギー源とし、非常時(狩りなど)に短時間のみ糖質をエネルギー源として使う。糖質の貯蓄量は少ない。
・脳の主要エネルギーはケトン体である。少なくとも、脳はブドウ糖しか使えないというのは誤りである。
・機械文明が発達し重労働がなくなった現在、エネルギー源としてブドウ糖を使う必要がない。今やブドウ糖はスポーツにしかつかわなくてよいエネルギー源である。
・ブドウ糖は赤血球などミトコンドリアを持たない限られた細胞のエネルギー源となるが、体内で作られる(糖新生)ので摂取する必要はない
・本来使わなくてよいはずのブドウ糖を1日中使わせられてる食生活をしているのが現代人。

などなど。
要は、本来多量にとるべきものではない糖質を(過剰)摂取することが、糖尿病やメタボリックシンドローム、肥満などの元凶となっている、と説いています。
ということで、なるべく糖分を減らすことを心がけてみています。ただ、多くのものに糖質が含まれているため、著者の推奨する糖質ゼロはとても無理です。
大好きなビールや日本酒にも勿論糖分が含まれているんですが、やっぱり飲んじゃいます(笑)。
糖質ゼロのビールも売っていますが、これはこれで添加物等が含まれていそうで、やや抵抗があります。

2009年10月29日木曜日

1日1食

新刊というわけではないのですが、ある方に教えて頂き読んだ本。釜池豊秋著『糖尿病の新常識 糖質ゼロの食事術』

うさんくさい部分も少なからずある(笑)のですが、結構、納得する部分もあったりします。
ダイエットに詳しい方は、よくご存知のことなのかもしれません。
かまいけ式糖質ゼロ食とは、

①糖質を摂らない
②食事は1日1回、夜だけにする

この2つを守るだけで、糖尿病は薬も、インスリンも必要なくなる、とのこと。自分は糖尿病ではないし、肥満でもありません。しかしながら検診によると耐糖能障害の素因がありそうなことと、最近、年なりに腹が出てきたので少し食生活を是正しなければと思っていました。そこでこの食事方法をちょっと試しに施行してみることとしました。

まず②について。著者の考えはざっと以下の如くです。

・野生動物の如く、空腹→活動→食→休養 が自然の摂理にかなった順序である
・野生動物は、生態系のフィードバックを受けるため過食が持続することはない
・野生動物に肥満はいない
・農耕や、各種道具を生み出し多くの食材を手にした人類は、食を生態系に規制されない唯一の生き物になった。食べたいだけ食べれる唯一の動物である。
・現代社会では、食後に休めるのは夜しかない。朝昼抜き、夜1食が自然の摂理にあった食事法
・朝食後インスリンが分泌され約3時間で食前の血糖値に戻る。しかし残ったインスリンの働きで食前より血糖が低下してしまい、その血糖低下で空腹感を感じるようになる。そこで昼食をとることになる。同じ理屈で夕方に空腹感を感じる。そして夕食をとる。即ち、朝食をとれば1日3回食べざるを得ないはめになる。→朝食を摂れば過食になりやすい、朝食は肥満のもと。


これまでは、腹もたいして減っていないのに、朝だからというだけで習慣的に朝食をたべたり、昼になったからというだけで習慣的に昼食をたべたりすることも少なからずありました。旨くもない病院の食堂の定食を文句いいながら食べたりして。
そんなことも手伝い、ちょっと始めてみました。1日1食生活。まだ僅か4日なのですが、それなりに耐えられるものだな、と感じました。
糖質についてはまた明日にでも書きますが、夜は糖質少なめの食事にしています。それでも肉も魚も食べてアルコールもかなり飲みますが、4日で3kg痩せてしまいました(笑)。腹も結構ヘッコンできました。あまりに急激な変化がでるので結構不健康な食生活なのかもしれません(苦笑)。
いつまで続けるかは、、決めてませんが、習慣になったら結構続くかもしれません。

2009年10月27日火曜日

急性心筋梗塞


この心電図、中年男性、急性心筋梗塞です。回旋枝の完全閉塞で、緊急PCIを行いました。昨日のST上昇(大たこ出現!(下記参照))がいわゆる”急性心筋梗塞”でなく、このST変化がほとんどないのが急性心筋梗塞。心電図って難しいです(苦笑)。

2009年10月25日日曜日

無駄遣い。

大事件です。今さらですが、ついつい、iPhoneを衝動買いしてしまいました(笑)。
2月にdocomoのSH-04Aを買ったばかりだったのに、、あまりの使い勝手の悪さに、つい(笑)。以上。

2009年10月24日土曜日

カテーテル挿入で患者死亡

カテーテル挿入で患者死亡...大阪医療センター

数日前の報道です。詳細は分かりませんが、重篤な患者で循環呼吸状態が極めて不安定となり緊急でPCPS(経皮的人工心肺装置)を挿入する方針に至ったかと推測します。その際カテーテル挿入中に大腿静脈を裂いて、大量出血を生じたのでしょう。

これは人ごとではありません。PCPSは、心肺停止に至った状態やその寸前で挿入することが多いです。少しでも余裕があれば心臓カテーテル室で透視で確認しながらの挿入としますので比較的安全に手技が行えます。しかし病状の緊急度やその時の設備の使用状況でどうしてもベッドサイドで透視なしで挿入することがあります。その場合は、カテーテルに先立って挿入するガイドワイヤーの挿入位置が正しいかどうか不安になることは少なくありません。誤ったワイヤー位置に沿って脱血、送血管(カテーテル)を挿入すると今回のような致死的事態に容易に陥ります。結構太いカテーテルですし。正しい大腿動静脈にワイヤーを挿入できたか否か、可能な限りエコーでワイヤーの位置を確認していますが、ワイヤー挿入の感触のみで判断しカテーテルを挿入してしまうこともあります。緊急度が高ければ高いほど迅速な挿入が不可欠になりますのでそのように挿入しがちです。

今回のケースも、恐らくはPCPSを入れなければすぐに死に至る極めて重篤な病状であったと推測します。ぎりぎりの状況の中で、最善の策を講じ、その過程の中で生じた合併症。これで、業務上過失致死容疑で大阪府警が捜査を始めたとのこと。。。。同じような業務をしている者としては、厳しい対応と思わざるを得ません。
現場を知るものでないとなかなか理解できないことと思いますし、ましてや一般市民には理解不能のことでしょう。報道の表現を見ると、病院側が当然のように悪く思えてしまいます。もっと中立に表現してもらいたいものです。
医療現場の正当性が証明されることを期待します。

今回のケースから、PCPSを挿入する時は可能な限り透視装置下で挿入することを徹底する必要があると再認識しました。

亡くなった方の御冥福をお祈り申し上げます。

2009年10月23日金曜日

アナフィラキシーショック

胸部大動脈瘤のfollowで造影CTを撮影した中年男性。今まで造影剤のアレルギーは全くなかったようですが、今回は造影剤投与後およそ3分程で嘔気、呼吸苦出現し、肺野で連続性ラ音著明、血圧測定困難となりました。SpO2も測定困難でした。アナフィラキシーショックです。自分はその場には居なかったのですが、居合わせた放射線科医や循環器後期研修医が対応しました。救急の医師に教えてもらいつつ、ソルコーテフ iv、輸液、エピネフリン筋注、H1,H2 blocker、エピネフリン吸入、グルカゴン等を投与、代謝性アシドーシス著明(pH7.17)でメイロンも使用しました。
何とか、循環、呼吸状態は回復傾向を呈し、事なきを得ました。よかったです。

自分だったら、どうしていたかなと想像しました。
先日ACLS-EPコースを受講したのに、もうすっかり忘れています(苦笑)。

ACLS Resource Textのアナフィラキシーの項をちょっと読み返しました。
高濃度酸素を投与します。上気道閉塞や重度の気管支攣縮により著しい呼吸不全に陥ることに備え気管挿管の準備をしておきます。早めの挿管を心がけることが重要です。挿管困難になったらかなり厄介です
エピネフリンは、全身的な症状を認める場合は全例投与します。エピネフリンは皮下注では吸収が遅いので、筋注がベターです。0.3-0.5mg投与し、臨床的な改善が見られなければ15-20分毎に繰り返します。
致死的徴候を呈している場合は、エピネフリンは静注します。0.1mgを5分程で静注します。頻回に繰り返す必要がある場合は、1-4ug/minで持続投与するとよいかもしれません。
補液は大量に必要かもしれません。1-2Lの急速投与、場合により4Lの急速投与が必要となるかもしれません。肺水腫のモニターも必要です。
抗ヒスタミン剤をゆっくり静注か、筋注します。
H2Blockerを経口投与か、筋注あるいは静注します。
気管支攣縮が前景に出ている場合は、β刺激薬吸入も考慮します。
ステロイドも静注しますが、効果発現には4-6時間要します。

その他考慮できる薬剤としては、重症低血圧に対するバソプレッシン、徐脈に対するアトロピン、β遮断薬内服患者などエピネフリンの効果が不十分な場合にグルカゴン(1-2mg IM or IV 5分毎)。
当患者もβ遮断薬を内服していた患者であり、グルカゴンを使ったようです。

自分としては幸い心カテの時など含め、ひどいアナフィラキシーに遭遇したことはありませんが、いつ遭遇してもいいように、知識の確認をする必要があると再認識しました。復習、大事です。

2009年10月22日木曜日

スキャンで軽々

AHA ACLSコースにインストラクター参加する場合、どうしても荷物が多くなります。ACLSプロバイダーマニュアル、AHAガイドライン2005、ACLSインストラクターマニュアル、ACLS Resource Text、ハンドブック、BLSプロバイダーマニュアル、場合によってはG2000のACLSプロバイダーマニュアルとか(笑)。プロバイダーマニュアルやインストラクターマニュアルも英語版と、日本語版両方だったり。コース中のみならず、コース後のミーティングに備えてあらゆる本をかかえていくこともありました(笑)。自分の知識や記憶力に不安があればあるほど荷物が多くなります。おまけにPCも必要だし。1冊1冊も結構ボリュームがあり、重いです!鞄がはち切れそうになったり、肩が抜けそうになったりすることも少なくありません。
キャリアーの付いた鞄は重宝します。


数ヶ月前に、小山龍介著「整理HACKS!」という本を読みました。


この中で、富士通のスキャナーScan Snap S1500を活用する方法が出ています。

紙という紙はみんなScan Snapでスキャンします。本や雑誌は裁断機で裁断し、一気にスキャンします。フィード機能もついていますし、大変早く、楽々、両面スキャンができます。書類も、書籍も、雑誌もみんなスキャンしちゃいます。全ての情報がPDF化され、PC内に格納されます。
その方法に感銘を受けて、自分もそれなりに実行しています。
ACLSプロバイダーマニュアル2005、2000、BLSプロバイダーマニュアル2005、2000、ACLSインストラクターマニュアル、BLSインストラクターマニュアル、ガイドライン2000、ハンドブック、ACLS Resource Textなど、PDF化してPCのなかに入っています。

これをMAC Book Airに入れれば、ばっちりです(笑)。ACLSコースの時はMAC Book Airを小脇に抱えて身軽に出かけます(ちょっとうそ)。

2009年10月21日水曜日

インフルエンザ陽性がーん。

先週末自施設で開催したACLSコース(インスト、受講生ともに他施設の方々も多く含んでいました)。当然コース前の受講生体調チェックはしていましたが、コース終了翌日、コースに参加していた受講生の1人が発熱し、インフルエンザA陽性になりました。がーん。
コース参加者がすべて濃厚接触者というわけではありませんが、一部の受講生、インストラクターはやはり濃厚接触者になり得ます。
情報を得次第、早急に全受講生、全インストラクターに情報提供しました。具体的対処は御本人、所属施設の判断にお任せしました。
今回は、たまたま発症した受講生が自分の施設の職員でしたので、情報把握が早く、かつACLSコース関係者のみならず、自施設のICD(ICT)が奔走、対処してくれて大変助かりました。
自施設以外の受講生が、コース後発熱してもその情報がコース主催者に伝わる可能性は低いと思います。その意味では、今回は不幸中の幸いでした。

インフルエンザが猛威を振るっているこの現状。
コース前の体調チェックは勿論ですが、それ以外にも、
①コース後インフルエンザ罹患が発覚したらコース主催者に連絡するようアナウンスしておく
②コース主催者として、コース直後に罹患が発覚した場合の対策方法を前もって検討しておく

ことが必要かと思いました。

2009年10月20日火曜日

伝説の神奈川ECCトレーニングサイト(ひとりごと)

日本ACLS協会の、日本にACLSを普及させた功績は非常に大きいと思います。その後の運営方針に賛否はありますが、個人的にはかなり評価しています。
かつて、協会所属の神奈川ECCトレーニングサイトなる組織が存在しました。知る人の中では、伝説化されています。個人的偏見では、ACLS教育において、世界一のトレーニングサイトであったと思います。本場のAHAも一目置いていた存在でした(これホント(笑)!)。臨床医学の各分野のプロフェッショナルが集い、自らの臨床経験を胸に、それでいて難しくし過ぎず、だれもが理解しやすいように、AHAのインストラクションスキルを周到しつつ、多くの受講生にノウハウを提供していました。AHAを凌駕するインストラクションとも言える面もあったかと思います。
救急医、循環器医、麻酔科医、心臓外科医、一般外科医、神経内科医、呼吸器内科医、、、、、偏った考えにならぬような広範な分野の者達が集っていました。
病態の奥深くを理解した上での、ACLSインストラクションは深みがあります。
多くのACLSコースを開催し、その度にコース後深夜までディスカッションを重ね、お互いスキルアップしました。
ある年の年間コース開催実績です(かつてはACLS協会のHPで公開していました。下記はそのデータです。)。プロバイダー数とコース数です。ACLS協会の中のランクですが、当然トップです。


その後神奈川ECCトレーニングサイトは諸事情で閉鎖、いまは一部は別のサイトが後継しています。
当時神奈川サイトで活動していたインストラクター達は各々の立場で今もなお活動しています。活動場所は変わっても、”神奈川魂”はみんな持ち続けているはずです。みんな根本は同じ方向で、日本の心肺蘇生教育に貢献しています

なんか最近混迷。つぶやき。

元々はACLSインストラクターに憧れて蘇生教育の世界に入ったのですが、色々な状況や成り行きで最近はBLSコース中心の生活です。それはそれで良いのですが、自施設で久しぶりにACLSコースを開催したところ、やっぱり深みがあっていいですね。
命を救うのはBLS、エビデンスが有るのはBLS。その通り。
でも臨床現場での経験を積んでいる者の感触では、ACLSも命を救うと感じる瞬間は多々あります。なんとかデータとして出せると良いのですが。
もっとACLSコースを展開していこうかと、思います。

2009年10月15日木曜日

心タンポナーデ

最近心タンポナーデによるPEAに2度遭遇しました。急速に心タンポナーデに陥る症例は心嚢液の絶対量は決して多くなく、心嚢穿刺もなかなか難しい傾向があります。心肺停止になり胸骨圧迫をしていたら尚更です。刺す時はどうしても胸骨圧迫を中断せざるをえませんし、とはいえその中断は最小限にしたいものです。2症例ともに結構苦労しました。
穿刺しなければ心肺停止からの脱却も難しいわけですから、割り切って穿刺できるまで胸骨圧迫を中断する方法が結局はいいのかな、なんて思います。一発で入れば10秒くらいで済むかもしれませんが、難渋する場合は分単位でかかる場合もあるでしょう。1分くらいの胸骨圧迫中断ならまだ許容範囲内かな?なんて、いろいろ考えますが、自分なりの結論は出ていません。
外科的に切開する手もあるでしょうが、急性大動脈解離なんかの場合は、大きくあけたら出血が止まらなくなり収集つかなくなる可能性もあるでしょう。内科医としては何とか穿刺で対処したいところです。
皆さんどうしているんでしょうか。PEA時の心嚢穿刺の良いtipsをご存知の方、教えて下さい。

2009年10月14日水曜日

当たり前のことですが

先日の急変の時、思ったこと。

心肺停止に初めに気づいたのは看護師でしたので、単体のAED(フィリップス社ハートスタートFR2)を装着しました。ショックの適応はなく(PEAだった)、胸骨圧迫を継続している時にマニュアル式除細動器(フィリップス社ハートスタートXL)が到着しました。
パッドは互換性があり、AEDのコネクターを抜いてそのままマニュアル式除細動器に連結させて使うことができますので、そのように使用することが通常です。
今回は、パッドとAEDはそのままで、マニュアル式除細動器の心電図リードを更に患者に装着して心電図波形をモニタリングしました。
その後のCPR中も、AEDは作動を継続していましたので、2分毎のアナウンスをしてくれて、良きタイムキーパーになってくれました。
人手が少なくて記録が係がいないとか、ストップウオッチが無い場合等は、ちょっとだけ役立ちます。


2009年10月13日火曜日

腹痛、嘔気、嘔吐

腹痛、嘔気、嘔吐で救急受診された高齢者。腹部手術歴、イレウスの既往もあるため外科の当直医が対応しました。心電図を記録したらST上昇しており循環器医に連絡がありました。



勿論急性心筋梗塞です。
胸部症状は全くなかったので、心電図を記録した外科の先生のセンスに感心しました。

2009年10月12日月曜日

つぶやき

一生懸命ベストを尽くしてもうまく行かないこともあります。良かれと思ってやったことが裏目に出ることもあります。

今日はついていませんでしたが、明日はもうちょっといいことがあるでしょう。

こくごのじかん

なおざり【等閑】
1.いいかげんにしておくさま。本気でないさま。おろそか。「−な練習態度」「子供のしつけを−にする」
2.ほどほどで、あっさりしているさま。

おざなり【御座なり】
いいかげんに物事をすませること。その場だけの間に合わせ。また、そのさま。「-を言う」「−な処置をする」

(大辞林より)

これ、常識ですか(苦笑)? いまさら、勉強になりました。

2009年10月11日日曜日

幅広いQRSの頻拍にアデホス

Up To Dateによると、幅広いQRSの頻拍にワソランやアデノシンを投与して頻拍が停止した場合は上室性頻拍を強く示唆する、と記載があります。しかし、これらの薬剤で停止する特殊な心室頻拍も存在しますので、完全な鑑別にはなりません。
そもそも非循環器医が幅広いQRSの頻拍に上記薬剤を投与すること自体極めて危険です。より重篤な事態に陥る可能性が十二分にありますので、確実に上室性であると確信が持てない場合は投与を避けるべきです。

循環器医としては、幅の広いQRS頻拍の鑑別目的でアデホスを投与することがあります。十分量のアデホスを、正しい投与法で投与しても、心電図上全く変化がない場合は心室頻拍であることを強く示唆します。

診断に迷った場合、自分としても稀にそのような使い方をすることはあります。しかし一度、投与直後心静止に移行してCPRをするはめになり、やっぱり安易にやるものではないと痛感したことがありました。数分間のCPRで何とか回復しましたが(苦笑)。

2009年10月9日金曜日

リドカインで停止するQRS幅の広い頻拍

幅の広いQRS頻拍を目の当たりにした時、不安定な状態であれば当然同期下電気的cardioversionです。安定している場合、AHA のアルゴリズムではアミオダロンが第一の選択肢となりますが、現実的には救急カートに入っていなかったり、諸々の事情でリドカインが使用されることも少なくありません。

この幅の広いQRSの頻拍は恐らくは心室性だろうが確信が持てない、、、。そこでリドカインを投与してみて、幸い洞調律に回復したら、”やはり心室性だったね!”と考えることが時々ありました。
改めてUp To Dateを読んでみると、”幅の広いQRS頻拍にリドカインを投与し頻拍が停止した場合は、心室性頻拍であることを示唆するが、確定できるわけではない。稀ではあるが上室性頻拍、特にAVRT(房室回帰性頻拍)はリドカインで停止することがある”と記載されていました。
ふーん、そうなんだ。初めて知りました。

2009年10月8日木曜日

過去の心電図

循環器医の方は読まなくてよい記事です(笑)。
動悸、胸部不快を主訴に救急外来に独歩来院した中年男性。血圧120/80程、心拍数200bpm。
12誘導心電図はRR間隔整のQRS幅の広い頻拍。ちょっとドキッとしますよね。
ACLSコースでは「上室性であると確信が持てなければ、心室頻拍として対処しましょう。」と指導しています。これは大変大事なことです。
一般的に、幅の広いQRS頻拍が上室性か心室性かの判断は循環器医にとっても難しいこともありますし、非専門医やコメディカルの方にとっては尚更です。難しいアルゴリズムを使った鑑別法もありますが、非専門医が覚える必要はありません。
そんな時、まず是非とも欲しい情報は以前の心電図です。この方の場合、、、ありました、過去の心電図!ヨカッタ(笑)。

洞調律ですが、確かに以前から右脚ブロックです。今回の心電図とQRSの形や極性は変わっていません。これで、今回の心電図は上室性頻拍+右脚ブロックと結論できます。PSVTか心房粗動の可能性が高そうです。
安心して”安定したQRS幅の狭い頻拍のアルゴリズム”に準じて対処できます。そこで、、バルサルバ手技を行って頂きました。が、びくともしません。アデホス10mgを急速静注しました。HR180bpmくらいまで低下しましたが、止まらず、また200bpm程に戻ってしまいました。20mgの急速静注をしたところ、洞調律に戻りました。
もとの洞調律波形と同じ波形です。めでたし、めでたし。今回の頻拍はPSVT+右脚ブロックだったということで、アブレーションをお勧めして、お帰り頂きました。
救急外来の初期研修医は多忙をきわめ、他の患者にかかりっきりで、この症例にはたずさわれませんでした。初期研修医にとってはそれなりに勉強になるケースだったので残念でした。
ひとりぽっちで、対処して少し寂しかったです(笑)。

2009年10月7日水曜日

出血

ACLSコースにおいて、Asystole/PEAで特に重要なH' & T'。
その中でも頻度が比較的多いHypovolemia。代表的な病態が出血です。
自分は循環器医ですから、出血性の疾患に関わる機会はあまり多くありません。
内因性疾患による出血では、その過程で何らかの自覚、他覚所見が生じるでしょうから、対策を講じることができるので心肺停止にまで至ることは少ないのでは?と密かに思っていました。ただし、大動脈瘤破裂などの大血管のトラブルは別ですし、勿論外傷も別です。

先日の急変は、十二指腸潰瘍からの出血でした。派手な下血もなく、吐血もなく、著明な自覚症状もないままに、心肺停止に陥ってしまうことに驚き、認識を新たにしました。

少し前には、入院中の方が、特発性の後腹膜出血による出血性ショックから心肺停止(PEA)にまで至ったケースがありました。この方も心肺停止になる少し前までは著明な訴えはありませんでした。

抗血小板薬・抗凝固薬が大好きな循環器医は注意が必要です。。。。




2009年10月6日火曜日

元気の源

最近急変が多いです。

早朝6時前。心筋梗塞で大部屋入院中であった高齢者が心肺停止になりました。病棟の心電図モニターがHR20bpm程の徐脈であることに気づいた看護師がベッドサイドに駆けつけると、意識なく、呼吸なく、脈拍触知 せず、心肺停止でした。すぐにナースコールで応援を要請、AEDを持って他の看護師が駆けつけました。AED装着したらショックの適応なし、CPRを継続しました。数分のうちに研修医、当直だった自分も到着。そのときはAsystoleでした。Critical conceptを意識したHigh Quality CPR、エピネフリン、アトロピンといった薬物投与、H' & T'による原因検索、、、。診療情報、状況、採血、エコー等の所見より、消化管出血による出血性ショックからPEA、Asystoleに陥った可能性が高いと思われ、輸血オーダーしつつ、輸液急速投与を施し血管内容量を是正することで自己心拍再開し、状態は落ち着いてきました。正に、ACLSコースのPEA/Assystoleのシナリオそのものでした。
勿論それなりにバタバタしましたが、チームとしてまずまず機能していたのではないかと思います。

医師は自分と初期研修医1人。看護師は入れ替わり立ち替わりでしたが4人。計6人が関わりました。自分はAHA ACLSインストラクターで、研修医と看護師1人がAHA ACLSプロバイダーでした。その看護師はAHA BLSインストラクターでもあります。残り3人の看護師は全てAHA BLSプロバイダーでした。うち、1人は最近更新コースを受講した方でした。
BLSインストラクターの胸骨圧迫は見事でした。適切な建設的介入も随所に見られ、大変心強かったです。他のプロバイダーたちの胸骨圧迫も勿論high qualityで、良きチームメンバーとして動いて頂きました。

AHAコースが全てではありませんが、たまたまAHAコースのプロバイダーが集まり、各々が良き働きを見せ,適切な蘇生処置が出来たことに、ちょっと感銘を受けました。
AHAコースの活動を続けていく元気の源になる出来事でした。

2009年10月4日日曜日

忘れちゃいけない喘ぎ呼吸

昨日の急変エピソード。初めに患者さんに遭遇したのは新人看護師でした。ノーマークの患者さんだったのでびっくりしたそうです。
訪室したら意識なく、脈もなかったけど、呼吸があったので、混乱してしまい、血圧測定や酸素飽和度の測定なんかを考えてしまったそうです。すぐさまCPRに取りかかれなかったと、後で、残念そうに言っていました。

最近AHA BLSコースを受講してくれた看護師だったんですが。。。。

脈は触れなくとも、呼吸が残存することは良く有ります。多くの場合が”喘ぎ呼吸”になっています。BLSやACLSコースで喘ぎ呼吸を意識させるシナリオを織り込むことは重要だと思います。

G2005 のAHA BLSのDVDだと、サラッと流れちゃいますからね。

この新人看護師さんは、喘ぎ呼吸は2度と忘れないことでしょう。

2009年10月3日土曜日

船頭多くして、船、山に登る

大部屋入院中の全くノーマークの患者が急変しました。幸か不幸か日中の、人の多くいる時間帯だったため複数の医師を含め多くの人が集まりました。しかしながら、皆が勝手なことを言って、勝手なことをやって、、、、全くもってまとまりがなかったそうです。僕自身は残念ながらその場にはいませんでした。
しばらくの蘇生行為の後何とか自己心拍再開しましたが、その後、その蘇生行為に参加していた後期研修医は、リーダーが不在であった旨感想を漏らしていました。

やはりチームダイナミクスは大事です。

AHA ACLSのメガコードテストチェックリストには、”チームメンバーにCPRの役割を適切に割り当てる”といった項目がありますが、勿論それも大事ですが、その前に”自分がリーダーである”ことを周りにアピールすることが大事であることを感じた一件でした。
いつも同じチームで行っている場合や、明らかなるリーダーが存在する場合は、あまり問題になりませんが、そうでない場合はより重要になります。

2009年10月2日金曜日

フェイスシールドキーホルダー



おなじみのLaerdalのフェイスシールド。みんな持っています(笑)。
でも、continuous compressionの時代、フェイスシールドの使用頻度は極めて低いと言えます。


最近、中身のフェイスシールドは除けて、こんな物を入れています。じゃーん。


広げると、感染予防の手袋です。手袋って結構コンパクトにたためます。
心肺蘇生術以外でも医療従事者としては手袋を使用することは日常茶飯事です。常に携帯していると、予想以上に便利で、フェイスシールドの使用頻度とは桁違いです。

2009年10月1日木曜日

いまさらteam dynamics

心肺蘇生術、特に二次心肺蘇生術はチームで行うことが必須ですし、チームワークが重要なことは本当に理解できます。G2000からG2005になった頃、初めてプロバイダーマニュアルを見たとき、チームダイナミクスという概念の存在に目から鱗でした。

AHA ACLSプロバイダーマニュアルには、チームダイナミクスにより”蘇生の成功率を何倍にも高める”と書いてあり、またAHA ACLSのDVDでも"蘇生チャンスが高くなる"と言っています。

たぶんそうでしょうけど、、、でも、本当にそう言い切るほどの根拠はあるのでしょうか??

ガイドラインに特に書いてなさそうだし、CoSTRにも書いてなさそう(書いてあったらご指摘ください)。

なぜ突如?チームダイナミクスという概念が出てきて、なおかつ大胆な言い切りになってるんでしょう。

Up To Dateには、航空業界の危機管理を、麻酔科医が医療界に応用した、と記載されています。それにより蘇生行為中の混乱が減少し、患者管理が改善したとのことです。3つの文献が引用されていました。

・Crisis resource management training for an anaesthesia faculty: a new approach to continuing education.(Med Educ. 2004;38:45-55.)
・Emergency medicine crisis resource management (EMCRM): pilot study of a simulation-based crisis management course for emergency medicine.(Acad Emerg Med. 2003;10:386-9.)
・Crisis resource management among strangers: principles of organizing a multidisciplinary group for crisis resource management.(J Clin Anesth. 2000;12:633-8.)

原文は読んでいませんが、どうやら”蘇生率を何倍にも高める、、”と言い切るほどの確たるエビデンスではなさそうです。
根拠となる論文などご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。麻酔科の先生が詳しいのかな??

2009年9月30日水曜日

つまらないことですが。

そうそう、急に思い出したことがあります。
先日受講したACLS-EPコースの「コースの概要」の中で高カリウム血症の話が出てきて、高カリウム時の心電図と、改善後の心電図がスライドで提示されました。AHAが作ったスライドのはずです。ただ、その改善後の12誘導心電図が左右肢誘導(上肢)付け間違いだったような気がします。EPコース受講される方は是非確認して下さいね!(笑)。

2009年9月29日火曜日

体重とエネルギー量 小児と成人

Kim先生御指摘のように小児では電気的除細動もcardioversionも、体重でエネルギー量が決められています。CoSTRには「小児に対する除細動において、安全かつ有効な理想的エネルギー量は不明である、、、」旨書いてありますが、ある程度体重とショックの効果が相関するのでしょう。

考えてみれば、成人は身体の大きな人も、小さな人もエネルギー量は同じですね。
なぜ成人は小児と異なり体重あたりのエネルギー設定になっていないのでしょうか。

先に記載したように体重の重い人は効果が得られにくいし、軽い人は得られ易い傾向がある、とした研究(N Engl J Med 1974; 290:214.)もあるわけですが、一方で体重の増減との相関関係はあまり成り立たないとする研究も複数あるようです(Am J Cardiol 1983;52:739-45)(Circulation 1979;60:231-40.)。成人は一筋縄にはいかないんですね。
エネルギー量以外の因子の影響が小児より成人のほうが大きいのでしょうか。

2009年9月28日月曜日

体重とcardioversion

除細動やcardioversionの必要エネルギー量のはなし。体重の重い人は、軽い人よりも除細動されずらいし、必要エネルギー量は多くなる、とした研究があります(N Engl J Med 1974; 290:214.)。欧米は超肥満患者がVFやAFになるケースはいくらでもあるでしょうから、そのようなことを実感できる機会は多いのではないでしょうか。日本では実感ないですね。国技館のある両国近辺の病院なら相撲取りが搬入されてきて、実感するチャンスがあるかもしれません。都立墨東病院とか。ご存知の方は教えて下さい。
今日の千秋楽の朝青龍vs白鵬の本割、決定戦の2番があまりにしびれたもので思わず"肉体ネタ"でした。昨日のK-1アリスターオーフレイムも強かった。

2009年9月27日日曜日

昨日の写真

左冠動脈回旋枝へのPCI。ステントをデリバリーしていたところ病変通過せず。回収すべく抜いてきたらステントのみ冠動脈内に残り、バルーンのみ抜けてきました。恐らく石灰化を有する狭窄病変にステントが引っかかってしまったと推測されました。中途半端なところにステントが残ってしまったので回収すべく色々な手を尽くしましたが、変に引っかかってしまったためか大変苦労しました。結局スネア(デバイス回収に使用する、先端がループになったカテーテル)や子カテなどを使用して何とかステントを回収することができました。
写真は、ガイドワイヤーに乗ったステントにスネアを引っ掛けて3者一体(ステント、ガイドワイヤー、スネア)にようやく抜けてきた像です。ステントが原型をとどめぬほどびよよーんと伸びています。
最近はステントの性能が極めて良いですから、脱落することが滅多になくなりましたが、今回は無理な操作もしていないように見えました(術者は自分ではありませんでした)が、いとも簡単に脱落しました。やっぱり注意が必要なんですね。ちなみに脱落したのはDESのEです。印象良くないなあ、、E。

2009年9月26日土曜日

びよーん


クイズ。さて、これはなんでしょう。3cmくらいの長さです。

2009年9月25日金曜日

難治性心房細動へのcardioversion

頻脈性心房細動を発症し不安定な血行動態を呈している患者がいると仮定します。なんとか早期に洞調律に戻したいです。
しかしながら、単相性360Jでcardioversionを2度試みるも、洞調律に戻りません。どうしましょう。。。

色々と選択肢があると思われますが、こんな文献があります。

360Jのcardioversionで洞調律への復帰を2度失敗した心房細動患者に対し、除細動器を2台使用して720Jのcardioversionをかけたところ、84%の患者が洞調律に復し、かつ有意な合併症もなかった(JACC1999;34:2031-4)。10年も前の文献ですが。
こんな方法もあるんですね。ダブルライダーキックみたい(笑)。

2009年9月24日木曜日

みんな仲良く。

ACLS-EPコースに関して、少々ネガティブなことも書いてしまいましたが、自分としては結構好きです(笑)。ただ、一度のコース参加だけでは知識に関する理解も、コースに関する理解もまだまだ浅いです。自習しても効率は良くないですし、限界もあります。

ということで、今後もスタッフ参加させて頂き継続して勉強していければいいな、と思い、EPコース終了直後にCDの先生に相談させて頂きました。

「自分はJCS-ITCのインストラクターですが、協会のEPコースにスタッフ参加させて頂くことは可能でしょうか?」

CDの先生は御丁寧に御返答されました。

「自分の一存では決められませんので、また後日メールで御連絡致しますね!」

なかなか微妙です(苦笑)。皆さん良い人ばかりですが、組織になると難しい問題があるのでしょうか。あるのでしょうね(苦笑)。僕はよく分かりませんが。

メールが来るのか、来ないのか、密かに楽しみです、いろいろな意味で(笑)。


2009年9月23日水曜日

コメント

当ブログを時々でも御覧頂いている方々がそれなりにいらっしゃるようです。本当に有難うございます。
今更ながら、Googleのアカウントを持っていないと、このブログにコメント出来ないことに初めて気付きました(苦笑)。ブログ初心者なものですいません。
どなたもコメント可能なように設定を変えてみました。あたたかいコメント宜しくお願いいたします(笑)。

2009年9月22日火曜日

EPコースのちょっと印象的だったこと

ACLS-EPコース中に行った1人法CPR/AED成人スキルテスト。50歳前後の年配のインストラクターの方に担当頂きました。
自分としては、インストラクターマニュアルの"重要な手技の解説"に遵守した標準的な手技を当たり前のように行いました。手技が終わった直後にそのインストラクターの先生にフィードバックを頂きました。

「まあ良かったですけど、AEDの安全確認の時に『私離れています、あなた離れています、皆さん離れています、、、』と言った方が良かったですね。」
(自分は、身振り手振りを交えつつ『皆さんはなれて下さい!』と言った)

フィードバックの一言を聞いただけでもある程度インストラクターのレベルが想像できます。ああ、この程度のインストラクターでもEPコースでインストラクションするのか、、、と思い、(心の中で)苦笑しました。表面的には素直にそのフィードバックをお受けしました。

そのインストラクタ−の先生はどうやらEPコースのインストをめざしており、今回はモニターのようでした。その後EPコースのステーションも担当していましたが、案の定惨憺たる出来でした。受講生の質問に答えられないのは仕方ないとして、それをはぐらかしたり、また受講生の意見を頭ごなしに否定したり、ちょっと態度が横柄だったり、もう一度CICを受けた方がいいかもーって思いました(笑)。他にはすばらしいインストラクターの先生もいらっしゃっただけに、ちょっと残念でした。
AHAインストラクターといっても、その質は様々ですし、EPコースのインストラクターといっても、様々みたいです。

2009年9月21日月曜日

EPコースで ACLS Provider更新


AHA ACLS-EPコースを修了すると、ACLS provider資格も更新になるみたいです。
自分はAHA ACLSインストラクターですので、provider資格は必要ないのですが、インストラクター資格更新の際にproviderカードがあればちょっとは楽ですので助かります。

アメリカではACLSprovider資格更新率が低いようで問題視されているとお聞きしました。日本も同様かもしれません。
日本ACLS協会は、更新率を上げるという目的もかねてEPコース開催を企てているようです。

ただ、今回のACLS-EPコース修了でACLS provider更新できるというのはかなり問題と思いました。ACLS-EPコース中に、下記の3つを行うことで、更新とされます。

・ACLS providerコースの筆記試験
・1人法CPR/AED 成人スキルテスト
・メガコードのシナリオを用いた”メガチャット”

”メガチャット”なるものは、マネキンを使用した実技ではなく、small group discussion形式で、インストラクターが、メガコードのシナリオを提示し、受講生がその都度すべき手技を口頭で答えるといった感じのものです。
知識と、技術・実践は異なるものですし、仮に知識があっても実際に出来なければ意味はありません。口頭で言えても、出来る保証はまるでありません。そもそも、口頭でも答えられない受講生もいらっしゃいました。
こんなdiscussionでACLS provider資格が得られるということは、AHAの本意ではないと思います。勿論、このことはACLS EPコースのインストラクターの先生方も問題視しているようです。様々なジレンマがあり、一筋縄では行かない背景もあるようですが、今後改善すべき事項と思われます。

2009年9月20日日曜日

AHA ACLS EPコース

かなりな二日酔いの中(笑)、本日日本ACLS協会主催のAHA ACLS-EPコースを受講しました。ACLS-EPコースとは、ACLS providerコースの上位コースに位置づけられており、①もし心停止の原因が分かっていれば蘇生の管理方法が変わるのでは?②もし心停止になりつつある状態を予測でき、その原因が分かれば未然に防げるのでは?という2つのコンセプトのもと、これらの転帰を改善させる方法を学ぶ、、とされています。
心不全やショックを伴ったSTEMIの対処や、NSTEMIの対処、電解質異常、低体温、致死的喘息、アナフィラキシー、中毒、溺水、妊婦のCPRなどを学びます。
自分の専門外の分野が多く、大変勉強になりました。結論としてはコースを受講して良かったです。コース開催にこぎつけた日本ACLS協会、インストラクターの先生方には感謝致します。御苦労も多いのではないかと推測致します。
ただ、一番良かったのは、このコース受講のために事前に自分でそれなりに勉強したことです。コース自体は、自分で勉強したことの確認程度のものかもしれません。はっきり言えば、たいしたコースではありません(笑)。事前の勉強で疑問に思ったことをいろいろと質問させて頂きましたが、大変丁寧に対応頂きましたが、解決したこと、しなかったこと、様々です。エビデンスなど乏しい事項が多いですから、やむをえないですね。
細かいことはまたアップしたいと思います。
お話する時間は残念ながらなかったのですが、Kim先生にもご挨拶することができました。よかったです。

2009年9月18日金曜日

妊婦のVF

VFになった妊婦に電気的除細動を行う際は、通常通りの方法でよろしいようです。除細動のショックは胎児へ有意な電流を及ぼさないようです。何故なんでしょうか。

除細動の時に「離れてください!」なんて安全確認していますが、少し触れていることの方が、胎内に収まっていることより危ないのでしょうか?

電気の知識をしっかり持っていたら、当たり前の理屈なのかもしれません。

ちなみに、胎児が胎内でVFになっちゃったらどうするんだろう。

分からないことだらけで、楽しいです(笑)。

2009年9月17日木曜日

妊婦のBLS

自分はBLSインストラクターのはずなのですが、知らないことがまだまだあります(苦笑)。
今日は妊婦のBLSを学びました。

・体位は左側臥位から15-30度後方に傾ける感じで、右側を上げておく。
(子宮が下大静脈や大動脈を圧迫しないため。)
・人工呼吸の際は(人手があれば)輪状軟骨圧迫法を持続的に行う。
(ホルモンの影響で胃食道括約筋機能が低下しているため逆流リスクが通常より高い。)
・胸骨圧迫は,胸骨中心よりやや上の通常より高い位置で行う。
(子宮により横隔膜と腹部臓器が上方に押し上げられている影響を調整するため。)


ちなみに、胸骨圧迫の位置をどのくらい上にずらすかはデータはないようです。胸骨圧迫の間に、脈拍触知をして圧迫ポイントを調節する(ACLS Resource Text P362)そうです。へー。


2009年9月16日水曜日

ペースメーカー植え込み患者へのcardioversionの際に

昨日の話と一部重複しますが、その文献によるとペースメーカー植え込み患者にcardioversionを施す際の推奨事項は以下のごとくだそうです。

cardioversion前
・ペースメーカーとリードの機能をチェックする
・outputを上げておく
・VOOまたはAOOにしておく

cardioversion中
・除細動パドルはジェネレーターから15cm離す
・パドルは前胸部−側胸部か、前胸部−背部に位置させリードと直交させる
・複数回のショックが必要な場合は、保護ダイオードを冷やすためショックとショックの間は少なくとも5分はおく。
cardioversion後
・ペースメーカーとリードの機能をcardioversion直後にチェックする
・4−6週間はより高いoutputに設定しておく
・4-6週間後にペースメーカーとリードの機能をチェックする
・pacing閾値、sensing閾値が上昇した場合、早期のチェックを推奨する
・機能不全を生じた場合は、ジェネレーター、リード交換を検討する


2009年9月15日火曜日

cardioversionのペースメーカーへの影響

ペースメーカー植込み患者に対するcardioversion。
ペースメーカーへの影響について、あまり深く考えたことはなかったのですが、ちょっと調べてみると結構興味深いです。
ペースメーカーへの悪影響はいくつかの機序があるようです。
cardioversionの電流がリードを通っても、最近は保護ダイオードなるものがジェネレーターを守ってくれるそうです。しかし、その分心筋側の電極にエネルギーが集中し、心筋外傷や熱傷が生じ得るようです。リード自体にも悪影響を来たすこともあり、これらによりペーシング閾値が上昇することがあります。cardioversion直後は問題なくとも、数日後に閾値が上昇したりすることもあるようで、時間をおいた後の閾値再チェックも推奨されています。

保護ダイオードがダメージを受けることもあります。ショックとショックの間は時間を開けて(例えば5分以上)、保護ダイオードを冷やし、ダメージを生じさせないことが望ましいとのこと。保護ダイオードが障害を生じることで、或いはそうでなくともジェネレーター本体に障害を来すことも当然あります。プログラムがダメになり、再プログラミングも不能になった例もあるようです。

ペースメーカーに依存している患者さんの場合は特に注意が必要です。
ずいぶん昔の文献ですが、ペースメーカー植え込み患者へのcardioversionにおいて、ペースメーカーへの悪影響で死亡に至ったcase reportもあるみたいです(Pacing Clin Electrophysiol 1979;2:462–464.)。こわいこわい。
不安定な病態でなければ、ペースメーカー植え込み患者に対しては薬物的cardioversionがよいのかもしれません。

2009年9月14日月曜日

除細動のショックの方向とペースメーカーリード

BLSコースで、「ペースメーカー植え込み患者に対し、AEDパッドは、ショックの方向がペースメーカーリードと垂直になるように前後に貼ると良い、と学会で聞いたが、そのように貼らなくてよいのか?」と受講生から質問がありました。

ACLS Resource Textに参考になる記載があります。ペースメーカー植え込み患者の心房細動に対するcardioversionの研究です(Eur Heart J 2007;28:1731-8)。
「パッドを前胸部と背部に貼り、前胸部のパッドはペースメーカーから8cm以上離して貼る。
このように貼ることで、電極はペースメーカーから十分に離れているし、かつ、ショックの方向がペースメーカーリードと垂直方向になる。この状態で、二相性100-200J、単相性200-360Jでショックをかけたが、ペースメーカー本体もリードも不具合を生じた例はなかった。」
この記載を根拠に、「ペースメーカーへのダメージの可能性を最小限にするために、可能なら、前後(前胸部と背部)にパッドを貼ることが望ましい。しかし、前後に貼ることにより除細動が遅れるべきではない」としています。

ショックが流れる方向と、ペースメーカーリードの方向が平行になっていると、リードに流れる電流が大きくなりリード自体もしくはペースメーカー本体にダメージを来し易いようです。
リードの走行を考えると、リードと垂直になるためには前後に貼る方法が最も確実と言えます。
受講生の疑問ももっともです。ただ、心肺停止の傷病者の背中にパッドを貼ることは、手間がかかり除細動のタイミングが遅れたり、胸骨圧迫の中断時間が長くなる可能性が極めて高いですから、VFへの除細動時には、原則的には考慮しなくてよいのではないかと思います。

受講生の質問に対しての回答は、「ペースメーカーへのダメージを最小限にするためには前後に貼ることが望ましいようですが、心肺停止の傷病者の背中にパッドを貼ることは、除細動が遅れたり、胸骨圧迫中断時間が長くなる可能性が極めて高いですから、通常のパッドの位置に準じた位置に貼って、迅速な除細動を優先してください。ただしペースメーカーからは2.5cm以上離してください。」が妥当なところでしょう。

2009年9月13日日曜日

乳児の反応確認

今週末はBLS、BLS-Rでした。
また苦手の乳児です。
乳児の反応の確認の際、なぜ足への刺激が推奨されているのでしょうか。根拠となる文献等はあるのでしょうか。成人と同様に肩等を軽く叩いたらいけないのでしょうか。ご存知の方は是非教えてください。
以前も反省会で話題になったことがあったような気がしますが、結論を忘れました。

2009年9月11日金曜日

片貝花火

今年は片貝花火に行けなくて、残念でした。
一発、一発に気持ちがこもった、花火。大好きです。
都会の花火大会とはひと味もふた味も違います。。。来年は是非行きたいです。




2009年9月10日木曜日

三環系抗うつ薬過量服薬による心肺停止

奇遇にもKim先生同様、僕も近々ACLS-EPコースを受講予定です。
そのテキストであるACLS Resource Textを苦手な英語で読んでいるのですが、自分にとっては未知の世界の「中毒」の所を見て、へえと思いました。
三環系抗うつ薬(TCA)の過量服薬で心肺停止になった時は、アルカローシスにするために過換気を行う、と記載されています。
ご存知の通り、G2005 の最重要項目の一つは”過換気を避ける”です。「救助者は過換気を行ってはならない。過剰な換気は胸腔内圧を上昇させ、心臓への静脈還流を減少して心拍出量を減らし、生存率を低下させるため、不必要であり有害である」とかなり強調されています。
TCA中毒による心肺停止においては、心拍出量の低下を犠牲にしてまでも、アルカローシスにすることが重要である、ということなんでしょうか。H's and T'sを是正しないと心肺停止からの脱却は確かに難しいのは理解できますが。。。うーん。EPコースで質問してみようかな。

2009年9月9日水曜日

経時的心電図変化

STEMIのガイドラインでは急性冠症候群(ACS)を疑う患者が救急外来に来たら10分以内に12誘導心電図を記録するのはクラス1の推奨です。

しかし、その心電図で診断がつかない場合も少なくありません。

そんなとき、循環器医としてはすぐさま心エコーで壁運動異常を評価するものと思います。しかし非循環器医としては、なかなか難しいかもしれません。

ACLS Resource Textには、「もし初めの心電図で診断がつかない場合は、経時的心電図記録を推奨する。心電図再検のタイミングを決める必要があるが、少なくとも初めの心電図から1時間以内には再検しなければならない。患者の症状が持続している場合や、臨床的にSTEMIを強く疑う場合は5−10分以内に再検せよ。」とあります。


昨日のケース(STEMIのふとした疑問)

初めの心電図でST上昇していると思いましたが、症状は消失しているし、心エコーで明らかな壁運動異常は認めませんでしたので、リスクは高くないと思いのんびり対処してしまい、経時的心電図記録は少々遅れてしまいました。提示されている経時的心電図は初めの心電図から30分後のものです。

ST上昇も軽減し、T波終末陰転化も認めますし、まさに経時的変化ありです。症状と合わせて考えれば、心筋虚血を来していた可能性は極めて高いと判断できます。

心エコー等せずに、さっさと5分後に経時的心電図を記録していれば次なるアクションはもう少し早かったかもしれません。

まあ、このケースは緊急カテせずとも、予後は変わらないでしょうが。



研修医や非循環器医の先生方も、経時的心電図の重要性を理解している方は少なくありませんが、症状が残存している時でもそのタイミングが遅いことが多いと感じています。

5−10分後の再検をこころがけましょうねん。


2009年9月8日火曜日

STEMIのふとした疑問

胸痛を主訴に救急搬入された高齢男性。救急外来搬入直後に素早く12誘導心電図を記録したところV1-2でST上昇を認めます。しかしながら胸痛は心電図記録直前に自然消失。


症状消失しているけど、STEMIかな?と思い、心電図記録直後(ほぼ同時)に心エコーを当ててみたら、左室収縮は良好で、明らかな壁運動異常は認めませんでした。あれ。早期再分極?

エコー後にもう一度12誘導心電図を記録したらST上昇は軽減していました。


T波終末の陰転も認めるし一過性虚血を生じていた可能性は極めて高いとして、結局冠動脈造影を施行。左冠動脈前下行枝にACSを疑う99%狭窄病変を認め、PCI施行致しました。

心電図ではST上昇していたものの、ほぼ同時に行った心エコーでは左室収縮能は正常でした。
冠動脈が閉塞すると、①血流低下②心室機能低下(拡張能→収縮能)③心電図ST変化 ④胸痛 の順番で変化を生じるといいます。
冠動脈が再灌流すると、どんな順番で上記所見は解消されていくのでしょうか。何となく④→③→②の順かと思っていましたが、違うのかな?ST上昇が残存していても左室収縮が正常化することはありえるのでしょうか。
なんか、釈然としません。どなたか教えてください(笑)。

2009年9月7日月曜日

まあ、いろいろってことで。

Cardioversionにおける抗不整脈薬の役割で、多くの抗不整脈薬はcardioversionの閾値を上げると記載しました。Flecainide(タンボコール)も上げると書いたのですが、この文献(J Am Coll Cardiol 1999;33:333-41.)では、internal cardioversionではありますが、Flecainide(タンボコール)静注は心房細動のcardioversionの閾値を下げたと書いてあります。
Sotalol静注も閾値を下げるそうです(Pacing Clin Electrophysiol 1997;20:2442-52.)。
まあ、いろいろですね。

2009年9月5日土曜日

上室性頻拍の対処法

山下武志先生「不整脈で困ったら」(メディカルサイエンス社)もなかなか興味深い本で、非循環器医の方には特にお勧めです。


この本の上室性頻拍(PSVT)を停止させる方法についてちょっと興味深い記載がありました。
「昔の教科書を紐解くと、眼球圧迫とか頚動脈マッサージとか恐ろしげな方法が書いてありますが、いまやそんな方法はとりません。」と記載あり、山下先生の今現在の方法としては、「インデラル20mgとワソラン80mgを一度に頓服として服用してもらい、外来待合室で30分程待機してもらいます。(中略)精神的に落ち着いている患者ならかなりの確率で自然停止します。停止しなかった場合には、洗面器に水を入れてその中に息ごらえをしながら顔をつけてもらうと、更に停止しやすくなります。」そして、アデホスなどの静注による対処は”最後の砦”と位置づけています。

AHAの推奨とはずいぶん異なりますね。

眼球圧迫が恐ろしげな方法であることは良いとして、頚動脈洞マッサージも今や恐ろしげな方法みたいです。確かに、動脈硬化素因のある患者に対しては”恐ろしげ”な方法であることは間違いありません。山下先生にとっての優先すべき迷走神経刺激手技は息こらえと顔浸のようです。安全性が高いので、基本的には僕も賛成です。

PSVTに対する単回経口療法(Pill in the Pocket)として、ヘルベッサー120mg+インデラル80mgという組み合わせが、ACC/AHA/ESCの上室性頻拍のガイドラインに引用されていましたが、海外での用量であり、日本人に使用するには多すぎると思われ、試したことはありませんでした。上記山下先生推奨の用量は大変参考になります。機会があれば試してみようと思います。

AHAが全てではありませんし、いろいろなオプションを持っていることは良いことだと思います。

ただ、上室性頻拍に対する自分としての対処法は、AHA推奨通り、迷走神経刺激→アデホスが原則です( 笑)。

2009年9月4日金曜日

またTCP

嘔気、めまいで来院した中年男性。内科対応。来院時は血圧140/、脈拍60台だったそうです。頭部CT等施行し問題なかったようですが、その後心電図を記録したところ、びっくり。
循環器科依頼。循環器後期研修医対応。
PEAか?というほどの激しい(?)心電図ですが、意識朦朧も、脈拍触知はできており、とりあえずTCPを装着、作動させたそうです。ペーシングの刺激のせいか、TCPによる脈拍上昇のせいか、意識も清明となり、カテ室に搬送し、頚静脈ペーシングを挿入しました。TCPを使ってくれたのはいつもの後期研修医(笑)です。もうTCPはお手の物です。

徐脈の原因は、虚血性心疾患患者であること、β遮断薬を内服していたこと、CKDに起因する高カリウム血症もあり、複数の要素が関与していそうです。

慌ててTCPを装着した後期研修医に対し、「循環器医ならこの程度の徐脈ごときに驚くな。」とのプロフェッショナル循環器専門医のフィードバックもありました。。。。。すごい。僕は、こんな心電図目の当たりにしたら驚いちゃいます。

2009年9月3日木曜日

adenosineの使用経験

上室性頻拍に対するadensine使用に関する文献(Am J Emerg Med. 2008;26:879-82.)。abstractのみしか読んでません(汗)。
救急外来において、5年間で約500人の上室性頻拍患者にadenosineをボーラス静注を行っています。頻拍の平均心拍数は162bpm。adenosine6mgの投与で73%の患者が反応し、15%の患者が12mgの追加投与に反応しました。11%は更に12mgの追加投与で反応しました。11%は反応がなかったとのこと(あれ?合わないですね??)。
軽度の副作用は高率に生じ、胸部不快83%、顔面紅潮39%、死にそうな感覚7%(苦笑)。1例のみ重篤な副作用が生じたとのこと。12mg投与により房室伝導が1:1になり、心房粗動(未診断だった)の心室レートが著明に促進されたとのこと。

予期せぬ重篤な副作用は1/500ってところですかね。

2009年9月2日水曜日

上室性頻拍と突然死

古い文献(JACC1991;18:1711-9)ですが、突然死から救命された290人のうち、13人(4.5%)が、上室性頻拍から心室細動に陥ったのを目撃された、或いはそれを強く疑われた例だったそうです。

13人のうち5人が副伝導路と心房細動を有しており、1人が副伝導路とAVRT(房室回帰性頻拍)を有しており、各々心室細動に至ったとのこと。
3人はAVNRT(房室結節回帰性頻拍)、4人は心房細動で、各々発作時に房室伝導が促進され心室細動に至った。

AHA ACLSメガコードケースBの規則的で狭いQRS幅の安定した頻拍患者がその後心室細動に移行するというシナリオ。以前も病態の推測を書きましたが、上記文献からすると、確率的には4/290=1.4%(心房細動を除いた)とやっぱり稀なケースですね。

2009年9月1日火曜日

今日もTCP

糖原病の若年男性。失神を主訴に救急搬送。診察室でも間欠的に高度房室ブロックが散見され、目の前で失神。素早くTCPを装着、作動し、事なきを得、経静脈ペーシングを挿入したそうです。
先日TCPの扱いが今ひとつだった、後期研修医。今回はばっちりでした、と満足そうでした。
やはり基本を学んだ上で、現場で手技を重ねることが上達への近道です。

糖原病、、国試以来久々に聞いた言葉です。。。。要勉強。

先日、強皮症に合併した高度房室ブロックもいました。。。要勉強。

全身疾患の一症状としての不整脈も少なくありません。

2009年8月31日月曜日

院外VF

路上で倒れていた中年男性。通りがかりの女性(看護師)がCPR(Hands Only)を施行。救急隊現着時VF。除細動施行し、2分のCPRの後自己心拍再開。当院搬入時は意識レベルはほぼクリア。バイタルサインは安定し、心電図では2,3,aVFでST上昇。緊急冠動脈造影施行、右冠動脈は閉塞しており、primaryPCIを施行しました。全く後遺症ない回復が期待できます。

以前は、このような素晴らしい救命の連鎖が行われると嬉しくて興奮したものですが、最近は頻度も増え、珍しいことではなくなり、以前より冷静に見ることができます。

とは言っても、バイスタンダーCPRのなされない心肺停止例は山のように搬入されてきます。
今回のこのような事例を元気の源にして、地道な心肺蘇生教育活動は続きます(笑)。

2009年8月30日日曜日

横浜スタジアム転落事件

8月27日プロ野球横浜対阪神の試合で観客が外野スタンドから転落。救急車で病院に搬送されましたが、29日にお亡くなりになったそうです。4-5mの高さから頭から落ちたとのこと。泥酔されており、約1mのフェンスを乗り越えての転落だそうで、自業自得とも言えますが、気の毒ですね。御冥福をお祈り致します。

さて、スポーツニュースで転落直後の映像が流れていたのですが、傷病者はぴくりとも動かなかったように見受けられました。係員らにそのまま担架にのせられ、退場していきました。
中日新聞には、”応急処置をした横浜球団のトレーナーは「心肺停止で意識がない状態だった。心臓マッサージなどで心臓と脈拍が戻ったところで救急隊員に託した」と説明した。”と書かれています。
転落直後に心肺停止に陥っていた可能性がありますが、どうだったんでしょうか。頚髄損傷から心停止もありえますね(参考:プロレスラー三沢選手の死因  1    2 3)。その場ではなんの処置もされていないように見えました。
まあ、正確な情報が分からないのであまり云々言えませんが、初期対応に少し疑問を抱いた映像でした。

CPR後一時意識回復したとの情報もあるようですが、これもどこまで正しい情報なのかわかりません。

2009年8月29日土曜日

心筋梗塞早期診断

心筋トロポニンの新しい高感度アッセイを用いて、胸部症状を訴えて救急外来を受診した患者の心筋梗塞の診断率を調べたところ、従来の心筋マーカーより精度が高く、特により早期(3時間以内)の診断が可能となり得る(NEJM2009;361:858-67)、とのこと。
実用化されれば、急性冠症候群の診断に迷うことがより少なくなりそうですね。
医学は本当に日進月歩です。

第4回JES 慈恵医大 大木隆生 バッチグー!


昨日は第4回Japan Endovascular Symposium(JES)に参加致しました。1日のみの参加でしたが、AAAやTAAに対するステントグラフト、下肢動脈や頚動脈に対するステント治療など色々な学びを得ました。大木先生は朝から晩まで大活躍でそのバイタリティーには感服致します。大木節も健在でした(笑)。外科医不足が社会問題化していますが、大木先生率いる慈恵医大外科学教室は新入医局員24人とのことで大盛況だそうで、その求心力には目を見張るものがあります。良き外科医、血管外科医が続々排出されればよいと思います。僕も血管外科には憧れるなー、入局しようかなーなんて思ったりして(時既に遅し!)。
一点、循環器医として、頚動脈ステントライブを拝見していて感じたこと。大木先生ほどの経験豊富な卓越した血管外科医、血管内治療医でもやはり厳しい狭窄の複雑病変に対する014ワイヤーのデバイス選択や操作に関してはそれほど精通していないように見受けられました。このへんは冠動脈インターベンションでは日常茶飯事のことであり循環器医が一日の長が有りそうです。循環器医として全身の血管病変に対する血管内治療に貢献できる部分は大いにあると実感しました。

そういえば、こんな記事もありました。まさに、小倉の横井先生のおっしゃるとおりです。